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米クランチロール、日本の“原作マンガ”を北米で配信

米クランチロール、日本の“原作マンガ”を北米で配信

北米でアニメ配信サービスを展開するクランチロールは、有料会員向けのマンガアプリを発表した。ゲーム「Ghost of Tsushima」のアニメ化も発表されている。 北米の有料会員向けにマンガアプリ「Crunchyroll Manga」が提供される。日本の主要出版社の新旧含めた人気のマンガ作品が、1カ所で楽しめるようになるという。 「Crunchyroll Manga」は、iOSとAndroidで英語版の提供が2025年後半に予定されている。将来的にはWebサイト版も提供される予定。対応言語も拡充される。 アプリの開発表明にあたりクランチロールは、「私たちが愛するアニメにインスピレーションを与える原作への比類ないアクセスをファンに提供する」と案内。北米のアニメファンの7割がデジタルマンガに親しんでいるなど絶大な需要があるとし、アニメとマンガの世界的な人気の継続を後押しするとしている。 アニメ化されるのは、オープンワールド時代劇アクションアドベンチャーゲーム「Ghost of Tsushima」(ゴースト・オブ・ツシマ)で、オンラインマルチプレイモード「Legends/冥人奇譚」を題材にしたもの。2027年に公開される予定。 クランチロールとアニプレックスが共同で製作し、監督は水野貴信、シリーズ構成は虚淵玄(ニトロプラス)が務める。アニメーション制作は神風動画、音楽はソニー・ミュージックエンタテインメントが担当する。スタッフ・キャストの詳細は順次発表される。 ゲーム「Ghost of Tsushima」アニメ化。シリーズ構成は虚淵玄 2025年1月7日 14:30

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2025年01月08日
KADOKAWAとピッコマ、IP創出・最大化と電子書籍拡大で提携

KADOKAWAとピッコマ、IP創出・最大化と電子書籍拡大で提携

KADOKAWAとカカオピッコマは11日、電子書籍事業におけるマンガコンテンツの企画・制作・配信に関する業務提携を発表した。マンガやゲームを始めとするIPを多く持つKADOKAWAと、漫画アプリ最大手「ピッコマ」の基盤を活用することで、中長期的な業績成長と企業価値向上を目指す。 両社は、KADOKAWAの電子書籍作品の「ピッコマ」での独占配信や、「ピッコマ」が配信する人気作品のKADOKAWAによる紙書籍化などで協力してきた。この取り組みを拡大し、「国内最大級のIP創出装置の創造」や「電子書籍事業の拡大」、「IPのLTV最大化」を目指す。 IP創出においては、「異世界もの」などKADOKAWAが従来より得意としていた分野に限定せず、少年少女から大人まで楽しめるオリジナル作品を、さまざまなジャンルで高頻度で創り、作家の発掘・育成も推進。新規IP創出力を強化していく。 流通面では、毎月1,000万人以上が利用する「ピッコマ」などカカオピッコマの強力なプラットフォーム基盤を活用し、KADOKAWAの電子書籍の流通量の増大を図る。 これらの取り組みにより。IPのLTV(長期的価値)を最大化。多くのユーザーに愛されるメガヒット作品を生み出し、アニメ化や実写映像化など、KADOKAWAによるメディアミックス展開を通じてIPの価値最大化を図る。 第1弾として、オリジナル連載作品の最新話を毎日更新で無料提供する電子マンガマガジン「MANGAバル」を「ピッコマ」上に開設する。 KADOKAWA側では、編集部が「MANGAバル」上で週単位で更新されるマンガコンテンツを企画・制作・編集する。コンテンツは、異世界ジャンルのほか、少年コミックや青年コミック、女性向け作品など、ジャンルを問わずに展開する。 カカオピッコマは、「ピッコマ」内で「MANGAバル」立ち上げに伴い、作品更新日には誰でも無料で最新話を閲覧できる「¥0マガ」を開始。トップ画面上部に「MANGAバル」専用の「表示領域」を設ける。また、MANGAバルだけでなく、連載される各コンテンツについてSNSなどを活用した様々な販売促進施策を実施。KADOKAWAの電子マンガ作品の流通量の増加を目指す。 「MANGAバル」は12月16日午前11時にスタートし、「ピッコマ」アプリと公式サイトから閲覧できる。創刊時には、曜日ごとに1作品、計7作品の週刊連載を予定してており、独占先行で配信する。

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2024年12月11日
ドコモ「爆アゲ セレクション」にデジタル版「ジャンプ」 20%還元

ドコモ「爆アゲ セレクション」にデジタル版「ジャンプ」 20%還元

NTTドコモは、12月3日から「デジタル版『週刊少年ジャンプ』定期購読」の取扱いを開始し、「爆アゲ セレクション」の対象サービスに追加する。料金は月額980円だが、20%分のdポイント(期間・用途限定)が付与される。 爆アゲ セレクションは、対象料金プランと対象サービスの利用で、dポイントを毎月進呈するドコモ契約者向けのプログラム。Netflix、Disney+、Lemino、YouTube Premium、Spotify、Apple Arcade、DAZN for docomoが対応しているが、ここにデジタル版ジャンプが追加される。 ドコモで「デジタル版『週刊少年ジャンプ』定期購読」を契約し、料金プランで「eximo」や「ahamo」、「ギガホ」を契約した場合、月額料金(税別)の20%のdポイント(期間・用途限定)を付与。ジャンプの場合は税別891円の20%の179ポイントが付与される。 付与されるポイントはdポイント(期間・用途限定)。有効期限は進呈された日の3カ月後の月末日まで。支払い方法は携帯電話料金との合算払い。 「デジタル版『週刊少年ジャンプ』定期購読」は、月額980円で「週刊少年ジャンプ」「ジャンプGIGA」を毎号購読できるサービス。最新号が発売日に「少年ジャンプ+」サイトや「少年ジャンプ+」アプリのマイページに自動で追加される。

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2024年11月28日
エプソン「推し活テンプレート」 自宅でオリジナルグッズが作れる

エプソン「推し活テンプレート」 自宅でオリジナルグッズが作れる

エプソン販売は、オリジナルの推し活グッズを作成できる「推し活」テンプレートの提供を11月21日に開始した。無料のスマホアプリ「Epson Creative Print」で利用できる。 国内の家庭用インクジェットプリンター市場は縮小傾向で、さらに年賀状の発行枚数が年々減少していることもあり、新たな需要創出が必要となっている。そうした中でエプソンは、ターゲット拡大領域の1つとして「推し活」に力を入れている。その取り組みの一環で、推し活テンプレートを提供する。 年賀状縮小が直撃する家庭用プリンター 「推し活」に勝機を見るエプソン 2024年10月10日 08:20 テンプレートは、推しをいつでも持ち歩ける「トレーディングカード」、推しの生誕祭や記念日を彩る「カップホルダー」、「ケーキフラッグ」の3つを公開。Epson Creative Printアプリでテンプレートをダウンロードし、スマホにある写真の追加や背景色の変更、テキスト、装飾の編集をすることで、オリジナルのグッズを簡単に作れる。 今後もオリジナルの推し活グッズが作れるテンプレートを公開予定。更新情報は特設サイトにて順次掲載する。 使用するプリンターについては、おすすめとして「カラリオ EP-887AW/AB/AP」などを挙げている。

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2024年11月21日
Amazonロッカーにガンダムデザイン モビルスーツ11種類

Amazonロッカーにガンダムデザイン モビルスーツ11種類

Amazonは、街中でAmazon商品を受け取れる「Amazonロッカー」の限定デザインとして、 アニメ映画「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」ラッピングを実施する。全国の8都市(東京・大阪・名古屋・福岡・札幌・横浜・神戸・さいたま)の86カ所に設置してあるAmazonロッカーで展開され、モビルスーツをあしらった11種類のデザインを用意する。期間は11月中旬から2025年2月中旬まで。 同作品のBlu-ray&4K UHD BD/DVDの発売を記念して実施される限定デザイン。それぞれ作中に登場する象徴的なモビルスーツをあしらっている。 全国86カ所に設置されており、Amazonロッカーの場所はAmazon自宅外受け取りサイトから確認可能。 ラッピング実施期間中は、自分の顔写真を使った限定デザインのオリジナルIDカードを作成可能。特設のAmazonロッカーに設置してあるQRコードをスキャンするか、通常のAmazonロッカーを利用し、配達完了メールに記載のバナーから特設ページにアクセスすると作成できる。 機動戦士ガンダムSEED FREEDOMは、1月26日に公開された映画作品。興行収入50億円、観客動員300万人を突破し、歴代のガンダムシリーズ劇場公開作品の中でNo.1の興行収入を記録している。Blu-ray&4K UHD BD/DVDは、12月25日に発売を予定。 Amazon.co.jpでは、キャスト&スタッフ座談会CDのオリジナル特典や、キャラクターデザイン平井久司描きおろしイラストを使用したA5キャラファイングラフ&汎用メカイラスト使用スチールブックつきの限定商品を購入できる。

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2024年11月19日
JR東日本と松竹、観光・夜・文化で協業 TAKANAWAから地方創生

JR東日本と松竹、観光・夜・文化で協業 TAKANAWAから地方創生

JR東日本と松竹は18日、10年間の包括的業務提携契約を締結した。「観光・地方創生」「こころとからだの健康増進」「ナイトタイムエコノミー」の3つを柱として、デジタル技術を活用した新たな体験や文化を提供する。 また、山手線・高輪ゲートウェイ駅直結の「TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウェイシティ)」に2026年春に開業する、地上6階建ての文化創造棟「MoN(モン) Takanawa: The Museum of Narratives」と松竹の協業も発表され、日本文化を中心とした新たなコンテンツの共同開発も行なっていく。 東日本旅客鉄道 代表取締役社長 喜㔟 陽一氏は、松竹との業務提携について「JR東日本の重層的でリアルなネットワークと松竹の文化伝統芸能や幅広いコンテンツをかけあわせ、デジタル技術を活用し『文化の力』のアップデートにより心豊かで活力ある社会の実現を目指す」としている。 「観光・地方創生」では、都市部と地方双方の行き来を活発にできるようなコンテンツを展開し、交流人口を拡大する狙い。 例えば、都市部から地方への観光では、地域性のある歌舞伎演目やアニメコンテンツを活かした「聖地化」の取り組みを進めていく。各地の地域特性を活かした「名所歌舞伎」 など、新しい歌舞伎演目の創造に挑戦する。 移動中の列車内で楽しめる「デジタルエンタメトレイン」も展開を検討している。MR等のデジタル技術を活用し、これから向かう旅先の関連文化コンテンツを楽しめ、移動空間でも目的地の理解を深めるなど、新しい移動体験を提供する。車内でのMRコンテンツは、機器の貸出などでのサービス提供を想定している。 地方から都市部への観光では「どこでもエンタテイメント」として、「巡業イマーシブシアター」が各地を巡ることで、都市部のエンタテインメントを地方でも臨場感を持って体験できるようにする。イマーシブシアターには、4K相当画質の次世代オンライン会議サービス「空間自在ワークプレイスサービス」と、「駅等のアセット」を組合せたものを採用。 巡業イマーシブシアターを通して地方でもエンタメを楽しんでもらうことで、都市部のエンタメコンテンツへの関心を高め、リアルにも足へ運んでもらえることを目指すという。 「こころとからだの健康増進」は、浜松町・竹芝・東銀座エリアにおいて、JR東日本が持つ「移動データ」と松竹が持つ「エンタメコンテンツ」を掛け合わせ、エンタメ観光を提案することで健康増進のきっかけ作りを行なう。 「例えば、浜松町駅に到達したユーザーに、AIを活用した心と体の健康チェックを行ない、その結果に基づいて街歩きプランをレコメンドする。浜離宮や芝離宮での癒やしの体験や、新橋演舞場、歌舞伎座等の文化施設での学び、あるいは芸人による街歩きガイドなど、その人に適した観光をしてもらい、ストレス軽減や身体活動の向上など健康状態をリアルタイムで可視化します。そうした体験によって、楽しみながらこころとからだの健康増進をサポートしていきたいと考えています」(喜㔟氏) サービス当初は浜松町・竹芝・東銀座エリアでの観光提案になるが、トライアルを踏まえて他エリアでの展開も検討していく。 「ナイトタイムエコノミー」は、インバウンド需要が増加する中、ナイトタイムのエンタテイメントが少ないことから、豊かな夜時間の過ごし方を創造する。 両社の施設が東京湾に面して近接して立地する「高輪」、「浜松町・竹芝」、「東銀座」エリア一体で、地域の自然や文化施設・史跡や水上交通を活かしたコンテンツを提案。 高輪ゲートウェイシティでのライトアップのほか、パフォーマンスを夜でも楽しめるコンテンツ、東銀座のイルミネーションなどを予定している。検討段階ではあるが、夜9時からお酒を楽しみながら観劇できるコンテンツなども企画中だという。 高輪ゲートウェイシティにおける、松竹の具体的連携施策についても発表。共創パートナーとして、THE LINKPILLAR 1 SOUTH8階に入居。松竹の中でもオープンイノベーションに積極的に参画する松竹ベンチャーズが主に稼働し、サテライトオフィスとしての機能も果たす。 高輪ゲートウェイシティに拠点を置くビジネス創造施設「LiSH」とも連携。LiSHが主催する共創の祭典「GATEWAY Tech TAKANAWA マッチングプロジェクト」へ参画する。 同プロジェクトについて、松竹 代表取締役社長 社長執行役員 髙𣘺 敏弘氏は「スタートアップや多様な企業が一同に会し、1社では難しい社会課題の解決に向け、新たなつながりを生み出し、共創の創出を目指す取り組み。共創パートナーの一員として、松竹と松竹ベンチャーズが参画する」と説明。 この取り組みでは「新たなIPコンテンツの創造」「映画館や劇場を活用した新たなデジタル体験の創造」「楽しく行なう健康管理など新領域でのエンタメ創造への挑戦」の3つの課題に対して新たなアイディアを募集し、実証実験を検討しながらソリューションを展開していくという。 また、高輪ゲートウェイシティでは、文化創造棟「MoN Takanawa」での協業も発表し、日本文化を中心とした新たなコンテンツを共同開発していく。 具体的には、日本文化とテクノロジーを融合し、飲食とともに楽しめる新たな日本文化体験、デジタル演出・記録による新ジャンルのパフォーマンス、鑑賞型から参加型へ、誰でも楽しめる「文化の新たな楽しみ方」として実験的なテックイベントなどを検討している。 髙𣘺氏は、「松竹のミッションである『日本文化の伝統を継承、発展させ、世界文化に貢献する』を体現しながら、皆様をワクワクさせる新たな日本文化体験を提供できる場となるように共に歩んでいきたいと考えている」とコメント。 その1つとして、最先端テクノロジーと地域に縁のあるコンテンツをかけ合わせ、地方創生の新たな可能性を提供し、文化によるネットワーク作りを通じて地域活性化を目指していくという。 「例えば、高輪といえば泉岳寺、そして歌舞伎の演目にもなっている『仮名手本忠臣蔵』が有名だが、幅広い世代がご存知かというと必ずしもそうではない。しかしそこには歴史があり、それを今の時代のニーズに再構築して国内外へ発信していく。そして松竹の持つエンタテイメントをプロデュースする力と、JR東日本のネットワークを使い、高輪に限らず全国各地、ねぶたなど地域に根づく全国のお祭りを再構築し、日本だけでなく世界へ広げることで地域の歴史や物語を未来へ紡ぎ、新たな交流や地域活性に貢献していきたい」(髙𣘺氏) 記者会見には、歌舞伎俳優 尾上菊之助氏がゲストとして登壇。今回の提携について「歌舞伎が大きな力添えができると思っております。歌舞伎の演目は時代もジャンルも問わず柔軟に対応しており、たくさんの芸能文化とともに双方が発展してきたという歴史があります。常に新しい話題や演出を取り入れ、進化・発展してきました。この度両社が取り組まれる新しい日本文化体験の創造ということに対しては、歌舞伎が持つ歴史、経験、進化し続ける精神というものが大きな役割を果たし、歌舞伎においても大きな新しいチャレンジの場になるのではと考えています」とコメントした。

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2024年11月18日
「地面師たち」はエンタメに向かない? Netflixの日本ヒット立役者が語るオリジナル作品の裏側

「地面師たち」はエンタメに向かない? Netflixの日本ヒット立役者が語るオリジナル作品の裏側

今年で日本でのサービス開始から9年目を迎えるNetflix。当初は海外ドラマの配信が多かったが、徐々に日本独自制作の作品が増え、2024年はその勢いがさらに加速した。特に「シティーハンター」と「地面師たち」は国内で大きく話題となったが、海外でも人気が高く、地面師たちにおいては配信後、Netflix非英語作品の週間ランキングで5週連続ランクインするなど注目を集めている。 これらの作品を担当したのが、Netflix エグゼクティブ・プロデューサーの髙橋信一氏。同氏は今年だけで「極悪女王」や「トークサバイバー」も手掛けており、Netflixの日本オリジナルコンテンツのヒットの立役者となっている。 15日、幕張メッセで開催された「Inter BEE 2024」の特別企画ステージに髙橋氏が登壇。「Netflixヒット作のプロデューサーに聞く最前線ストーリー」として、noteプロデューサー/ブロガーの徳力基彦氏とコンテンツビジネス・ジャーナリストの長谷川朋子氏を聞き役に、Netflixの日本オリジナル作品の制作現場についてトークが繰り広げられた。そのトークステージの様子をレポートする。 日活で映画製作に携わっていた髙橋氏がNetflixに入社したのは2020年6月。 「きっかけはいくつかあるのですが、まだNetflixが日本に上陸していなかった15年前、研修でハリウッドに行ったときにみんなNetflixと仕事をしたいと言っていたのが印象的でした。そこからずっと映画製作を手掛けてきましたが、2019年に『ひとよ』という映画を制作しているときに、スタッフもキャストも全員がNetflixで配信されていた『全裸監督』の話をしていたのです。僕も作品を見ていて、こんな作品が日本で作れるんだ、と結構大きなゲームチェンジとなりました。あの作品が、Netflixで作品を作ることを意識するタイミングになったと思います」(髙橋氏) 入社後、髙橋氏がNetflixに参加する前から企画が動いていた「浅草キッド」にプロデューサーとして携わった。その後「トークサバイバー シーズン1」(2022年)や「離婚しようよ」(2023年)などを手掛けていく。 2023年、Netflixで配信されている英語以外の言語で制作された作品の中で、日本語作品は、韓国語、スペイン語に次いで3番目に多く視聴された。どの国で制作された作品であっても、Netflixには共通する注力ポイントがあるという。 それが「ローカルファーストで作品を国内に届ける」「今まで見たことないストーリーをクリエイターと紡ぐ」「クリエイティブが発揮される撮影現場」の3つだ。 ローカルファーストにおいては、Netflixではグローバルで人気が出ることではなく、制作するその国の視聴者に受けることを第一に考えるという。 「日本オリジナル作品なら日本の視聴者を第一に考えて制作しています。韓国なら韓国の視聴者に受けるように、といったようにNetflix全体で共通の認識を持っています。ローカルで心を震わせられないものは世界で心を震わせられない、という考え方です。その国独自を突き詰めれば突き詰めるほど海外では新鮮に映ります。普遍性と独自性を大事にし、ローカルヒットからグローバルヒットにつながるということをポリシーにしています」と髙橋氏は話す。 例えば「シティーハンター」は作品の世界観自体も現代にアップデートされているが、原作ファンが楽しめることを前提にしつつ、舞台となる日本の風景にゴジラロードや歌舞伎町一番街などが登場し、現代の日本を象徴する場所を映している。日本に住む視聴者にとっては当たり前の景色だが、海外の視聴者からはそうした風景が新鮮に映るのだ。 一方、「地面師たち」においては、日本の不動産取引という特殊性や、会議室で繰り広げられる会話劇が映像エンタメに向かないのでは、と当初懸念があったという。 「地面師たちの企画は、大根仁監督からの持ち込みで始まりました。企画を読んで、先ほど話しましたNetflix全体の注力ポイントである『今まで見たことないストーリーをクリエイターと紡ぐ』に合致する、まさに見たことない物語だと思いました。しかし、日本の不動産取引は特殊性が強く、会議室中心の会話劇も映像エンタメに向かないのでは、と少し懸念があったのも事実です。そこを大根監督が脚本段階からうまくブラッシュアップし、いい意味で簡略化した部分もあって、多くの人に理解しやすく、結果的に世界中の人に届くストーリーになったと考えています。人間模様やエンタメを真摯に描き、高いクオリティがあったからこそ、国境や文化を越えて国内外で高い評価をいただける作品になったと分析しています」(髙橋氏) 地面師たちは当初、グローバルでどこまで見られるかはそこまで考えていなかったという。 「グローバルで、というのは正直あまり考えていませんでしたが、完成後にさまざまな国のクリエイターチームと話し、あんなにハラハラしたことはないと言ってもらいました。また海外の方からの反応で特徴的だったのは、石野卓球さんに手掛けてもらった劇伴です。ああいうトーンで音楽を付けるのか、といい意味での驚きの声が挙がりました」 クリエイターとの協業は大根仁監督や石野卓球氏だけでなく、「トークサバイバー」ではテレビプロデューサーの佐久間宣行氏、浅草キッドでは劇団ひとり氏が監督を務めるなどさまざまなタッグを組んでいる。 髙橋氏がNetflixに入社してから約4年の間でヒット作を数多く手掛けている点について、Netflix作品をイチ視聴者としても楽しんでいる徳力氏は「これだけたくさんの人気作品を短い間に手掛けているのが凄いですよね」と称賛。 「そこはやはり、Netflixがクリエイターとの協業に注力しているからです。僕は今まで映画製作をメインにしてきたので、例えばバラエティにおいては佐久間さんと協業することで、佐久間さんのクリエイティブをNetflixでどう発揮してもらうか、それを考えているのが大きな特徴なのかなと思います」と髙橋氏は話す。 注力ポイントの3つめである「クリエイティブが発揮される撮影現場」は、スタッフもキャストも作品作りに集中できるよう、現場の環境を整えることが意識されている。 「クリエイティブ環境を良くするために何ができるかを、我々は常に考えています。作品作りに集中できる環境があるからこそ素晴らしい作品が生まれると考え、撮影前にはキャストを含め全スタッフが参加するリスペクトトレーニングを行ない、常に温かいごはん、飲み物が提供できるクラフトサービス、撮影時間の上限を設けるなど、さまざまな取り組みをしています。作品の制作環境を少しずつでも良くすることで映像業界で長く働けるようになり、結果として良い作品が生み出せる好循環に貢献できると思っています」(髙橋氏) 例として挙げられたのが「極悪女王」の制作現場。プロレスラーとして違和感のない体作りをしてもらうために、専門家の指導のもと食事やトレーニングの管理が行なわれたという。 また、女子プロレスという特性上、水着での試合シーンが多く、肌の露出が多かったことから、試合シーンの撮影時はすべて、映像作品の性的なシーンなどで、俳優を守りながら、監督の演出意図を実現できるようサポートするインティマシーコーディネーターを導入した。 「どういった撮影が精神的に不安がないかを考え、キャストが安心して臨める撮影現場を目指しました。そうした制作現場もヒットの要因の1つなのではないかと思います」(髙橋氏) Netflixの特性として、「全話一挙配信」という形がある。この配信形式について徳力氏は「SNSの世界だと週に1回放送の方がその時間に視聴者が集中して観るため、SNSのトレンドに挙がりやすく話題になりやすいです。一挙配信というのは少しもったいなくも感じますが、Netflix作品はそういったSNSの特性を狙わなくても、プラットフォームの力が強いから広がり続ける。それが凄いですね」とコメント。 「一挙配信なので次のエピソードが見たくなるような作りにしています。一気見したと言ってもらえるのはやはり嬉しいですし、そうした口コミの力は強く、これ以上の宣伝施策はないと思います」(髙橋氏) さらに髙橋氏は、「シティーハンターと地面師たちでは広がり方が全然違った」と話す。 シティーハンターは公開前からリアルイベントを開催し、その時点で盛り上がっていたが、地面師たちはそういったイベントは行なっていなかった。作品の面白さや口コミの評判の良さはもちろん、「ネットミーム化して盛り上がった」部分もあると髙橋氏は分析。SNS上では地面師たちのセリフを見かけることも多く、作中の「もうええでしょう」というセリフは2024年流行語大賞にノミネートもされた。 「地面師たちは、視聴者を惹きつけるキャラクターやセリフが多く登場しました。それらがネットミームのようになり、物語の外でも楽しんでもらえたのかなと思います」(髙橋氏) 最後に、髙橋氏はNetflixの魅力と今後の展望についてコメント。 「希望としては、Netflixを通じて日本のクリエイター、俳優、原作が世界に羽ばたいていく、その一助になればと思っています。これまでも日本には素晴らしい作品がたくさんありましたが、日本語作品となるとどうしても広がりに限界がありました。それがNetflixでは世界に配信しやすくなり、多くの人に届けられるようになったので、日本のクリエイターなどたくさんの才能がNetflixきっかけで世界で活躍してくれたら嬉しいです。 これは例えばの話ですが、現在大根監督とはNetflixで5年の契約を結んでいますが、5年はあっという間に過ぎると思います。大根さんがNetflixの外でも世界で活躍してくれたり、鈴木亮平さんがシティーハンターをきっかけに海外の作品に携わったりなど、何か決まっているわけではないですけど関わったクリエイターがそうして羽ばたいてくれたらこれ以上に嬉しいことはないですね。 僕達が特別ということはなく、Netflixはあくまでもプラットフォームの1つで、日本の映像業界の一員です。さまざまな団体の方とご一緒していますし、より新しいチャレンジを今後皆さんとできればと思っています」

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2024年11月16日