コロナ禍で電子決済や非接触型の取引が加速した。この追い風を背景に、ネット通販などのEC(電子商取引)市場が拡大を続けている。高級品から日用品、家具家電などの大型商品、金融商品や保険サービスまで、あらゆるものがネットで購入できる時代になった。
ネット通販の専門業者は、小売業のなかでも店舗を持たない「無店舗小売業」に分類される。もともとは訪問販売やテレビショッピングなどが中心だったが、EC市場の拡大でネット通販業者が急増し、いまや無店舗小売業者の大半をネット通販業者が占めている。
一方、倒産や休廃業も急増している。2024年度の無店舗小売業の倒産は、前年度比17.8%増の152件で過去最多となった。コロナ支援で倒産が抑制された21年度と比べると2倍増の高水準だ。
ネット販売といえば、以前は小売店の付随サービスの意味合いが強かった。店舗と併設し、来店が難しい顧客を対象に、売り上げと利便性を向上させた。だが、現在の無店舗小売業者は、基本的に店舗を持たず、SNSなどを駆使しながらネットだけで勝負する。出店費用の初期投資、人員などの運営コストを抑制し、小資本でも参入が可能になった。営業エリアや時間を限定しない販売スタイルは、画期的なメリットでもある。