福島大は14日、モモの新品種の登録をしたと発表した。同大として新品種の登録は初めてとみられる。ただ、栽培に不向きな特徴を多く持つ品種で、流通については「ニーズがあれば」とし、主に研究目的で使用される見込みだ。
「収穫期が枝ごと違うモモがある」。「福島大学1号」と名付けられたモモは、伊達市の農家が農園内で偶然見つけ、同大に連絡した。県産モモの代表的な品種「あかつき」の子に当たる「紅博桃(べにはくとう)」の木の一部の枝についていた実だけ、収穫期が3週間ずれていた。
同大が調べると、実が赤くなりにくい一方、モモの筋に当たる縫合線がくっきりと赤くなる特徴があった。食感や香りも「普通のモモとは違う」という。葉や花の特徴、遺伝子配列を調べて昨年10月30日に農林水産省に品種登録された。
福島大学1号は、果実が割れやすい▽色が着きにくい▽実が落下しやすい――など、農業としての栽培にマイナスになる特性が多くある。食農学類の高田大輔准教授は「品種登録の一番の理由は研究材料とするため」と話す。今後の温暖化などで想定される栽培の課題と共通するため、こうした特性を抑える方法を開発すれば、気候変動への対策につながる可能性があるという。
高田准教授は「市場がどう判断するか分からないが、研究材料としては大変貴重。効率的な栽培方法や、より栽培しやすい方法の開発に活用していきたい」としている。【松本光樹】