中国の巨大経済圏構想「一帯一路」が再び存在感を強めている。2025年に中国企業が一帯一路参加国で受注した建設契約と、中国側から参加国への直接投資の金額を合わせた「関与額」は計約2135億ドル(約33兆円)と過去最高に達した。特にアフリカと中央アジアでエネルギー関連の大型案件が相次いだ。一帯一路を巡っては、相手国を借金漬けにする「債務のわな」への批判が相次いだが、トランプ米政権の保護主義的な姿勢が一部途上国で中国傾斜を促し、一帯一路の〝再加速〟を後押しした可能性がある。
豪グリフィス大と中国・復旦大が1月18日に発表した調査によると、25年に一帯一路関連として中国企業が海外で受注した建設契約額は約1285億ドル、中国企業による直接投資は約850億ドルと推計され、2つを足した関与額は計約2135億ドルに上った。
25年の関与額は一帯一路が始まった13年以降で最高。関与額の累計は13年以降で約1・4兆ドルに達したという。
25年に関与額が急伸したのがアフリカと中央アジアだ。アフリカは建設契約が前年比283%増、中央アジアは直接投資が前年比375%の伸びを記録した。国別ではカザフスタン、ナイジェリア、コンゴ共和国、サウジアラビアでの金額が特に大きかった。
分野別で突出していたのがエネルギーだ。関与額は24年の倍以上となる約940億ドルで、全体の4割以上を占めた。石油や天然ガスの化石燃料、半導体などに使われる鉱物資源への資金投入も急伸しており、中国が戦略資源の確保とサプライチェーン(供給網)の囲い込みに着々と動いている実態が浮かんだ。
一帯一路は当初、途上国へのインフラ融資が中心だったが、債務を返せない途上国が港湾などの権益を中国に譲渡する「債務のわな」の批判が相次いだ。こうしたことから中国も近年は新規の融資を控え、「小さくて美しい」をスローガンに小規模な対外援助・投資にシフトしていた。