沖縄県名護市辺野古沖で平和学習中の女子生徒ら2人が死亡した事故を巡り、転覆した抗議船2隻を運航する「ヘリ基地反対協議会」に共産党の地方組織が加わっていることが分かった。共産党の田村智子委員長が2日の記者会見で「構成団体として真摯な対応をしたい」と明らかにした。転覆事故が発生した3月16日以降、田村氏ら党幹部は複数回、会見で船長と共産党の関係性を尋ねられたが、曖昧な回答に終始。党が当事者側である事実を伏せていた形になる。
「ヘリ基地反対協議会に現地の共産党が構成団体として加わっている」
田村氏は4月2日の会見で、犠牲者2人を悼んだうえでこう述べ、沖縄県の地方組織に対し、事故について事実確認をしていると明かした。
ヘリ基地反対協は、ホームページ(HP)によれば12団体(令和3年9月時点)が加盟する。その内訳はHP上では確認できていない。
問題視されるのが、転覆した2隻について海上運送法に基づく事業登録をしていなかったことなど、ヘリ基地反対協の安全意識の希薄さだ。
田村氏は、事故2日後の3月18日の会見で、協議会の責任について問われた際、「人命が失われている以上、責任があると協議会側も認めている。事故などが決して起きないような調査活動が求められる」と述べ、共産党が構成団体であることを明らかにしなかった。
26日の会見でも、「事故の究明が求められるということ以上に、私からコメントのしようがない」と回答するにとどめた。
事故で犠牲になった京都府の同志社国際高2年、武石知華さん(17)が乗船した抗議船「平和丸」を巡っては、共産党の機関紙「しんぶん赤旗」の記事や基地建設反対のビラなどで、かつて船長や、代表に党関係者と同姓同名の人物が就いていたことが分かる。なにより今回事故のあった平和丸の船長に関して、共産党の地方組織の役職を務めた男性の名前が週刊誌などで取り沙汰されている。
これに対し、小池晃書記局長は3月23日の会見で「辺野古の基地を監視するにはあの船しかない。決して共産党だけの船でもない。色々な人が関わって運営している船だ」と言及を避けた。
地方組織とはいえ、立場のある人物が乗船客を死亡させる転覆事故を起こしたというのであれば、共産党に一定の責任は免れない。逆に共産党と無関係であるならば、打ち消す必要もある。
田村氏は4月2日の会見で「 事故に遭った高校生にお見舞い申し上げたい 」と語った。沈痛な面持ちを浮かべたものの、遺族への謝罪の言葉は口にはしなかった。(奥原慎平)