公開中の作品から、映画担当の記者がピックアップした「シネマプレビュー」をお届けします。上映予定は予告なく変更される場合があります。最新の上映予定は各映画館にお問い合わせください。
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ウィリアム・シェークスピアの妻の視点から、戯曲「ハムレット」が生まれた背景を描く人間ドラマ。マギー・オファーレルの同名小説をクロエ・ジャオ監督が映画化。ジェシー・バックリーが米アカデミー賞主演女優賞を受賞した。
ジャオ監督は、自然とともに生きる人々を繰り返し描いてきた。アグネス(バックリー)も、森を愛し、超自然的な力を持つ人物だ。
彼女はウィリアム(ポール・メスカル)と強い愛情で結ばれるが、都会で創作に没頭する彼と、自然の中での暮らしを望む彼女の気持ちはすれ違い、悲劇が一家を襲う。終盤、さまざまな出来事や感情が混然一体となった「ハムレット」の舞台場面は圧巻。英映画。
10日から全国順次公開。2時間6分。(耕)
独女性興行主ヴェラ・ブランデスが、18歳でキース・ジャレットの「ケルン・コンサート」を企画した舞台裏の実話を映画化。こんなに面白いとは驚いた。
独俳優マラ・エムデがヴェラを生き生きと演じて素晴らしい。中盤、車でケルンを目指すキース一行に視線を転じ、静謐(せいひつ)な描写で、キースが何者かを丁寧に見せるのもうまい。さあ、ケルン。だが想定外の問題が発生する。元気がほしい若い女性にこそおすすめのガールズ・パワー映画。
ドイツ・ポーランド・ベルギー合作。未成年の飲酒、薬物使用場面があり、小学生以下の鑑賞は保護者が判断を。ちなみに、劇中でキースの演奏は聴けない。
10日から全国順次公開。1時間56分。(健)
ソウル国際芸術団に所属する母子家庭の高校生イニョン(イ・レ)。ある日、母親を事故で亡くし、家賃滞納で家も追い出される。その苦境にもめげず、芸術監督ソラ(チン・ソヨン)ら周囲の人々との交流を通じ成長する過程を丹念に描いたヒューマンドラマ。
明るく前向きでどんな逆境もはね返す強さを持つイニョンの姿に共感し、目が離せなくなる。劇中、イニョンら団員がスピード感のある動きで披露する韓国伝統舞踊も見どころの一つ。
ベルリン国際映画祭で子供がテーマの作品を扱うジェネレーションKプラス部門の最優秀作品賞を受賞。監督は監督はキム・へヨン。韓国映画。
10日から全国順次公開。1時間42分。(啓)