イランとの交戦終結に向けた協議を行う米国の交渉団が11日、パキスタンの首都イスラマバードに到着した。イラン交渉団も同日までに現地入りした。協議では8日発表の停戦合意を恒久的な交戦の終結につなげられるかが焦点。ただ、双方はホルムズ海峡の開放などを巡って対立しており、協議を前に駆け引きを強めている。
米国とイランによる協議が実施されれば2月28日の米イスラエルによる大規模攻撃開始以来、初めて。米交渉団はバンス副大統領が、イラン交渉団はガリバフ国会議長が率いる。協議はパキスタンが仲介する間接交渉となる可能性がある。
ホルムズ海峡開放を求める米国に対し、イランは自国による海峡管理の継続を主張している。また、米国が核兵器の原材料となりうるウラン濃縮活動の停止を求めているのに対して、イランは活動の容認を求めている。
トランプ米大統領は今月10日、自身のSNSに「イランは自分たちに切り札がないと気づいていないようだ」と投稿して牽制(けんせい)。米メディアに対して、交渉が失敗した場合は付近に集結した米軍艦が「最高の弾薬」で攻撃を再開すると述べて、圧力をかけた。
米紙ワシントン・ポストは、今回の協議で米国はイランで拘束されている米国人の釈放を要請する意向だと報じた。少なくとも6人が拘束されているとみられる。
一方、ガリバフ氏は10日、協議に関してイランの凍結資産の解除と、イスラエルが親イラン民兵組織ヒズボラへの攻撃を続けるレバノンで停戦が実現しなければ応じないとSNSで発信し、米国を揺さぶっている。
米紙ニューヨーク・タイムズは10日、米当局者の話として、イランがホルムズ海峡に敷設した機雷に関し、一部の行方を特定できていないため、海峡の開放が進んでいないと報じた。
ロイター通信による10日時点の推計では、交戦ではイランで3千人以上、レバノンで少なくとも1800人がそれぞれ死亡した。イスラエルや湾岸諸国も含めると、死者数は5千人を超えるとした。(外信部 佐藤貴生、ワシントン 本間英士)