熟練の勘→デジタル技術で効率アップ 八幡平の雪壁、15日開通

社会 毎日新聞 2026年04月12日 17:15
熟練の勘→デジタル技術で効率アップ 八幡平の雪壁、15日開通

 秋田、岩手両県にまたがる観光ルート「八幡平アスピーテライン」で、15日の開通に向けた最後の作業が進んでいる。名物の「雪の壁」は高さ7・1メートルあるが、現場ではデジタル技術を駆使した「除雪支援システム」が活躍。三次元地図で作業車の道路逸脱などを防ぎ、「熟練者の経験と勘」に頼っていた作業の効率性と安全性が大幅にアップしている。【高橋昌紀】

 県岩手土木センターによると、従来は積雪前に「指標木」を危険箇所などに設置し、道路位置を把握していた。風雪などで指標木が損壊することもあり、作業は「目視に頼った手探り」(担当者)。そのため経験の浅い若手には困難な作業だった。

 除雪支援システムは積雪前にデータ取得用の専用車両を走らせ、ルート上の三次元地図を作製する。作業時には人工衛星からの位置情報を組み合わせることで、作業員は崖などの危険箇所や、マンホールなどの設置物を正確に把握することができる。

 2024年春季に岩手県内で初導入。今季は3月9日に作業を開始し、作業車7台体制で1日平均約330メートルを除雪してきた。「八幡平樹海ライン」(4月24日開通予定)などでも活躍している。

 作業の効率化で作業員の週休2日などを達成したといい、担当者は「精度はセンチ単位。従来のような練度を必要とせず、人手不足の解消にもつながる」と期待を寄せている。

 「八幡平アスピーテライン」は15日午前10時に開通予定。凍結などの恐れから、夜間(午後5時~午前8時半)は通行できない。悪天候時は終日通行止めとなる。

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