大日本帝国の戦争下、童謡歌手・子役俳優として活躍した人物に光を当てた『小さな「戦犯」 音楽家たちの戦争責任』(高文研)が刊行された。全ての国民が戦争に参加せざるを得ない「総力戦」の実態を描いたノンフィクション。筆者の小松田健一さん(57)に執筆の狙いなどを聞いた。
小松田さんが主人公となる矢田稔さん(94)に出会ったのは2021年秋。勤務する中日新聞東京本社の先輩に紹介された。
「矢田さんのことを知りませんでしたし、音楽と戦争の関係など考えたこともありませんでした」。しかし「お話を聞いて、歴史上有名な人の名前がたくさん出てくる。芸歴80年以上。戦前戦中の音楽史を知る、数少ない生き字引のような人だと分かりました」。