「手挙げ式」からの方針転換 核ごみ最終処分に動いた政府

社会 毎日新聞 2026年04月13日 20:55
「手挙げ式」からの方針転換 核ごみ最終処分に動いた政府

 原子力発電所から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場の選定を巡り、東京都小笠原村の渋谷正昭村長が13日、日本最東端・南鳥島について文献調査が行われることを事実上、容認した。国が主導して自治体に調査を申し入れた、初めての事例だ。処分方針が定められてから25年以上たっても場所が決まらない中、国が繰り出した新たな一手だった。

 「処分地の選定は原発の立地地域のみの課題ではありません」「国として更に一歩前に出て、処分地の選定に向けた調査について地域任せにすることなく、国の責任で地域にご協力をお願いしていきます」――。1月16日、赤沢亮正経済産業相は全国の都道府県知事あてにこんな手紙を送った。資源エネルギー庁が小笠原村に「文献調査の説明をしたい」と打診したのは、わずか約1カ月後の2月9日だった。

 国が処分場の選定を急いだ背景には、原発が立地する自治体や、文献調査を受け入れた自治体からの、切実な訴えがある。

 昨年11月、新潟県知事と北海道知事は相次いで管内に立地する原発の再稼働への同意を表明した。その過程で、鈴木直道・北海道知事が「核のごみは原発が立地しているところだけでなく、全国の問題だ。国が前面に立って問題に向き合う必要がある」と経産省に訴えるなど、立地自治体側から、国の責任で選定手続きを前進させるよう強く求める声が上がった。

 調査対象を選ぶ方法の限界も指摘されていた。従来は地元で機運が高まるのを待ち、調査を望む声を受けてから国が動く「手挙げ方式」だった。文献調査を受け入れると国から最大20億円が交付されるものの、…

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