人気のムシテックワールド、運営撤退を検討 福島・須賀川

社会 毎日新聞 2025年10月04日 09:15
人気のムシテックワールド、運営撤退を検討 福島・須賀川

 福島県須賀川市は、市営のふくしま森の科学体験センター(ムシテックワールド)の運営から撤退する検討を始めた。昆虫や科学の「なぜ」を学習できて子どもに人気の施設だが、厳しい財政事情から維持は困難と判断した。売却先などを探す考えで、引き取り手がない場合は解体することも選択肢の一つという。

 ムシテックワールドは、須賀川市の郊外で県が2001年夏に開催した「うつくしま未来博」のパビリオンを市が引き取り同12月に開館。解剖学者の養老孟司さんが22年まで初代館長を務めていた。

 入館者は今年8月に累計140万人を超えたが、その6~7割は理科などの授業で訪れる市内外の子どもたち。学校単位での利用であれば入館料が原則無料となる一方で、施設全体の運営に年1億~2億円を要している。

 須賀川市は東日本大震災や19年の台風19号など相次ぐ災害からの復旧のため「貯金」に当たる財政調整基金を取り崩しており、24年度の残高は、過去10年間のピークだった18年度の47億2600万円から約44億円減の3億2700万円(速報値)。財政の硬直具合を示す経常収支比率も24年度に101・2%(同)と悪化をたどる一方だ。

 このため、昨年の市長選で初当選した大寺正晃市長は、25年度から3年間を行財政改革集中期間と位置づけた。老朽化した公共施設の統廃合を検討する中でムシテックワールドも対象に浮上した。

 大寺市長は「個人的に大好きな施設だが、将来にわたって市単独で維持・管理するのは困難だ」と説明。今後の3年間で、民間への売却やスポンサー探しなど、閉館回避に向けて「できる限り幅広くアイデアを募集していきたい」という。【根本太一】

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