【カイロ=佐藤貴生】トランプ米政権がイランへの軍事攻撃を含む介入策を検討しているのを受け、イラン政府高官は14日、米軍から攻撃を受けた場合には米軍の駐留拠点に反撃すると周辺諸国に警告したことを明らかにした。ロイター通信が伝えた。イランでは苛烈な弾圧によって大規模な反政府デモが下火になったとされ、イランは米国や親米諸国の牽制(けんせい)に乗り出したとみられる。
イラン政府高官はサウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)、トルコなどに警告を行ったとし、これらの国々に米軍によるイラン攻撃を制止するよう求めたと述べた。
ロイターによると、イランの国防・外交の政策全般を統括する最高安全保障委員会のラリジャニ事務局長がカタールのムハンマド首相兼外相と電話で会談。イランのアラグチ外相もUAEやトルコの外相と電話で協議した。
米シンクタンク「戦争研究所」などによると、イランでのデモはインターネットが遮断された8日と9日を境に減少傾向にある。米メディアは約3千人が死亡したとしており、治安部隊員がデモ隊に無差別に発砲したとも報じられた。
英BBC放送(電子版)は13日、イランの治安要員が指導部に忠実な姿勢を維持しており、体制はまだ崩壊するような状況に至っていないとの見方を示した。
米軍の攻撃を受けた場合、反撃の標的になるとイラン側から名指しされたイスラエルの有力紙ハーレツ(電子版)も13日、イランでは最高指導者直属の革命防衛隊などの治安機関が機能しており、「体制を打倒するのに十分な条件はまだ満たされていないとイスラエルでも評価されている」と伝えた。