国が過去に実施した最大10%の生活保護費の減額を違法として取り消した昨年の最高裁判決を巡る対応で政府が改めて減額調整をすることに対し、日本弁護士連合会の元会長ら弁護士有志が15日、対応策の撤回などを求める共同声明を厚生労働省に提出した。
中本和洋元会長をはじめ日弁連の元役員ら132人が呼びかけ、14日までに弁護士1122人が賛同した。
声明は、今回の減額調整について「行政が司法の判断を黙殺するに等しいものだ」などと批判。全ての受給者に最高裁判決が取り消した減額よりも前の基準との差額支給を求めた。
中本氏は記者会見で「今回の対応を認めれば三権分立が崩れてしまう」と危機感をあらわにした。日弁連元副会長の新里宏二弁護士も「これだけ多くの弁護士が声を上げたのは、司法に携わる者として許せないという思いを共有したからだ。日本の根幹を崩しかねない重要な問題だ」と話した。
最高裁判決を受け、国は判決で適法とされた生活保護世帯と一般の低所得世帯の生活費を比べて見直す「ゆがみ調整」を再度実施した上で、当時の低所得世帯の消費実態を基に2・49%の減額調整を行う対応方針を決めた。訴訟の原告には新たな減額調整分を「特別給付金」として別途給付する。【肥沼直寛】