高市早苗首相(自民党総裁)が決断した衆院解散・総選挙は、自民党と日本維新の会の連立政権発足後、初の国政選挙となる。衆院選では政権の枠組みの信が問われるが、両党は選挙協力は行わない方針だ。選挙戦では維新が地盤とする大阪を中心に、首相が与党で競合する選挙区に応援に入るかも焦点となる。
維新の藤田文武共同代表は15日の党会合で、次期衆院選に関して「正々堂々と連立政権の意義、そこで打ち出した連立合意書の内容を高らかに掲げ、戦ってほしい」と述べた。
自公政権の時代には、自民、公明両党は小選挙区で競合を避けるなどの協力を重ね、議席の最大化を図ってきた。ただ、昨年10月発足の自維連立政権では方針が一変した。自民の鈴木俊一幹事長は選挙協力について「基本的にはしない」と否定。維新の吉村洋文代表(大阪府知事)は14日の首相との会談後、競合区を巡り「ともに戦いましょうと話した。それが新しい連立の形でもある」と記者団に語った。
一昨年の衆院選では、全国289の小選挙区のうち、155選挙区で自民、維新系候補が競合した。うち12選挙区では、比例代表での復活当選によって両党の現職同士がぶつかっており、次期衆院選は約60選挙区で競合が見込まれる。
自民と維新の選挙協力を複雑にしているのは、維新が地盤とする大阪の事情がある。前回衆院選で、維新は大阪府内の19選挙区で全勝したのに対し、自民は全敗した。そのため、自維で候補者一本化の調整を行えば、現職優先の考え方から自民が大阪で候補者を立てられない可能性も出てくる。
また、国政選挙では首相が与党候補の応援に全国を飛び回るが、今回の衆院選での与党候補の競合区に関しては慎重な対応が求められそうだ。維新幹部は「選挙期間中、首相は大阪には入りにくいだろう」と語った。
(今仲信博、深津響)