福岡市立小教諭に対するバッシングの真相に迫った「でっちあげ 福岡『殺人教師』事件の真相」で新潮ドキュメント賞を受賞したノンフィクション作家、福田ますみ氏が昨年11月、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題を丹念に取材した「国家の生贄(いけにえ)」(飛鳥新社)を出した。福田氏は出版後の動きについて、安倍晋三元首相銃撃事件を巡るナラティブ(物語)や、衆院選で旧統一教会問題を争点化しようとする政治家の姿勢に疑問を呈した。
――「でっちあげ」と「国家の生贄」の共通点は
「『でっちあげ』は児童に深刻ないじめを行ったと非難された教師が無実だったことを明らかにした。『国家の生贄』の旧統一教会も、メディアやSNSの暴走によって、教団の言い分はほとんど報じられない。私は教団を擁護するというより、ゆがんだ言論状況と国による宗教弾圧を指摘している」
――メディアの暴走と言うが、東京地裁は審理の結果、教団に解散命令を出している
「メディアも裁判所も教団の言い分をほとんど聞いていない。マインドコントロールされているから信用できないということだろうが、『マインドコントロール』は議論を封じるマジックワードになっている。取材してみると逆に、信者が家族や反対派によって拉致監禁されて棄教させられる事例が数多く起きてきた。暴力的なディプログラミング(強制改宗)だ。12年5カ月監禁されたと最高裁が認定した人もいるし、監禁中に性的暴行を受けた女性信者もいる」