■中国の反日教育
「中国人は日本で深刻な安全上の脅威に直面している」と、中国当局は日本への渡航自粛を呼び掛けている。話が逆ではないのか。いまの中国では、多くの人々が、教育によって反日感情を植えつけられている。日本人はこれに過剰に反応してはなるまいが、しかし、その危険は認識しておかなければならないはずだ。正論3月号では、作家・ジャーナリストの門田隆将氏とテレビプロデューサーの結城豊弘氏が、中国で長年続く反日教育の本質を議論している。
1980年代に結城氏が中国を旅したころは、まだ日本語を話す古老もいて、旅行中「一度も危険を感じたこともなければ、嫌な思いをすることもなかった」という。しかし89年の天安門事件以降、中国共産党支配を引き締めるべく反日教育が始まり、その反日ヘイトともいうべき教育は習近平政権下でますます徹底されているという。門田氏は、近年では幼稚園児から大人に至るまで徹底的な反日感情の植えつけが行われている―と指摘する。その結果、何が起きたか。
一昨年、中国・深圳で日本人の男児が殺害された事件では、現地で犯人が英雄視された。だが、こうした反日教育の実態は日本の既存メディアでほとんど報じられない。門田氏は「絶対に知っておく必要はある」と警鐘を鳴らす。
その習政権だが、足元が揺らいでいるのかもしれない。米国によるベネズエラ急襲で、習氏は震え上がっているはずだと評論家の宮崎正弘氏は分析。なにしろ中国製の防空レーダーが全く機能しなかったのだ。明日はわが身で、まずは自身の守りを強化しなければならない。ところが人民解放軍内では習氏の長年の部下たちまでが失脚。宮崎氏は習氏が来年秋の中国共産党大会まで権力を維持できるかも怪しいとみる。(溝上健良)