弁護士会から危うさを指摘されながら、「適正業務」を掲げ続けてきた。
だが、現役社員ら複数の関係者は「社長や幹部たちは、一部の業務が違法だと分かりながらやっていたはず」と明かす。
「退職代行モームリ」を運営するアルバトロス(横浜市中区)の社長らが3日、警視庁に逮捕された。報酬と引き換えに顧客を弁護士にあっせんした弁護士法違反(周旋)の疑いがあるという。
ある20代の元従業員は数年前、勤務中のオフィスで社長の谷本慎二容疑者(37)から掛けられた言葉を、今も覚えている。
「それ、外部に言わないでね」
元従業員が、依頼者とのやりとりをしていた時のことだ。内容をふまえ、相手に「弁護士や労働基準監督署、警察に行ってみるといい」というメッセージを送った。
すると直後、やりとりを見ていた谷本容疑者と妻の志織容疑者(31)から注意を受けた。
「キックバックが入るから顧問弁護士を紹介してもらわないと困るよ」
だが、報酬を伴う仲介は弁護士でなければ法に触れる。元従業員は「弁護士からお金もらってるってことですか?」と尋ねた。
管理職だった志織容疑者の答えは「違法だから言わないように」だったという。
取材に応じた別の現役社員は「顧問として契約していた弁護士からは、『賛助金』や『アフィリエイト広告料』という名目の金が会社宛てに支払われていた」と明かす。
この社員は2年ほど前、弁護士から会社に届いた「賛助金、振り込みました」という文面のメールに目を留めた。会社宛てのメールの対処法で上司から指示を受けていた時だった。
その時に「賛助金」は、顧問弁護士からのキックバックだと説明を受けた。
上司は「『紹介料』だと違法になっちゃうから」と言ったという。
また元従業員によると、2022年7月、志織容疑者と顧問弁護士の間では、こんな内容のメールが交わされていた。
志織容疑者<当社では公務員の依頼は全てお断りしています。依頼者を紹介するので、紹介料として3割を受け取る契約はできますでしょうか>
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