美味しいウイスキーの風味や琥珀(こはく)色は、樽(たる)で何年も熟成させた結果もたらされる。多くのウイスキーは樽材として北米産のホワイトオークを用いるが、近年注目されているのが日本のミズナラ(ジャパニーズオーク)だ。熟成して得られる香木のような風味は、国産ウイスキーが世界的名声を獲得する上で一役買ったが、樽材としては液漏れしやすいことでも知られる。そこで北海道大などの研究チームは、樽材に適したミズナラの育て方や見分け方を追求し、このほど国際的な専門誌で報告した。
ミズナラは落葉広葉樹であるナラの一種で、実はどんぐりと呼ばれる。その名の通り水分を多く含み、日本や朝鮮半島、中国東北部などに分布。特に北海道は日本での代表的な産地で、ほぼ全域に分布している。道北の旭川市で毎月行われる「銘木市」には、ミズナラ目当てのウイスキー関係者が足しげく訪れる。
大麦などを原料とするウイスキーは、糖化や発酵、蒸留を経て作られ、アルコール度数が40%を超える。蒸留直後は「ニューポット」と呼ばれる無色透明な液体で、口に含むと刺激が強い。それが樽に詰めて何年も熟成させると琥珀色に染まり、味わいも滑らかになる。よく知られるスコッチウイスキーは、3年以上の樽熟成が必要条件だ。