イランは「低強度」の戦闘で長期戦も視野に 米との交渉に有利な環境を作る思惑か

国際 産経新聞 2026年04月02日 23:30
イランは「低強度」の戦闘で長期戦も視野に 米との交渉に有利な環境を作る思惑か

トランプ米大統領が対イラン軍事作戦の早期終結を改めて主張した演説を受け、イラン軍事当局の報道官は2日、米イスラエルが「永久に続く後悔と降伏」に直面するまで交戦を続けるとし、攻撃を激化させると強調した。ロイター通信がイラン政府系タスニム通信の報道として伝えた。

イランは、イスラム教シーア派の法学者による革命体制の継続を最優先事項とする。攻撃による死者は2千人を超えたが、体制維持には一定の人的被害もやむを得ないと考えている。ロイターは専門家の言葉を引用し、イラン指導部は攻撃後も分裂しないばかりか統治を強化しているとし、米イスラエルが体制の耐久力を過小評価していたとの見方を示した。

イランはホルムズ海峡を封鎖状態にしてペルシャ湾岸諸国の石油・天然ガス生産を一時停止や縮小に追い込んだ。世界経済を混乱させて米国に対する国際的な停戦圧力を強める「非対称戦」により、今後の交渉に向けて有利な状況を作る思惑とみられる。

ホルムズ海峡周辺の船舶や、湾岸諸国のエネルギー関連施設への攻撃を断続的に行う、いわゆる「低強度」の攻撃なら、イランはなお長期間継続できる可能性もある。

ドイツ公共放送ドイチェ・ウェレは3月25日、識者の分析を基に、イスラエル軍は開戦前にイランのミサイル保有数を約2500発と推計していたが、最大6千発との見方もあるとした。防空システムを回避できるドローン(無人機)は開戦前には推定8万機保有しており、攻撃で生産拠点が損傷してはいるが毎月40機前後は製造できるとの指摘があるという。

米シンクタンクの戦争研究所は4月1日、イランの治安部隊が国内各地で反体制派の動向に目を光らせているとの分析を発表した。反米の精鋭、革命防衛隊が比較的穏健なペゼシュキアン大統領を脇に追いやり、国内で対米強硬路線を主導しているとの観測もある。(佐藤貴生)

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