「防災特化型AI」開発へ 東北大災害研の新所長が方針

社会 毎日新聞 2026年04月03日 10:15

 東北大災害科学国際研究所(仙台市青葉区)の4代目所長に越村俊一教授(54)が就任し、同研究所で2日、記者会見を開いた。南海トラフ巨大地震など新たな災害への備えに東日本大震災の教訓を生かすため、ソフトバンクと産学連携し、独自の「防災特化型AI」を開発する方針を明らかにした。

 越村氏は震災発生から15年が過ぎ「災害の記憶の風化と教訓継承が大きな課題」と指摘。今後起こりうる災害への課題に技術革新を活用して対応していく戦略を発表し、その象徴として、防災に特化したAI開発の方針に言及した。

 「防災特化型AI」は、ソフトバンクの国産AIモデルに、災害研が蓄積する過去の災害のデータや知見、今後収集する震災の映像などを学習させ、3年をめどに開発を進める計画。

 防災庁や関係省庁、自治体のほか全国の大学との共同利用を想定する。住民の避難計画や事前復興計画策定への活用、災害時の自動車避難の対応など、幅広い課題の解決に向けた活用を見込んでいるという。

 越村氏は、AIを災害伝承の持続性確保にも役立てる意向を表明。語り部の内容も広く記録・収集し、語り部の活動や伝承施設の維持・継続に生かしてもらうことも考えているとした。

 越村氏は川崎市生まれで専門は津波工学。スーパーコンピューターを使ったリアルタイムの被害予測などに取り組んできた。任期は今月1日から3年間。【百武信幸】

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