本命・阪神の対抗馬、中日が野戦病院化で開幕ダッシュに失敗 5連敗喫し、いきなり正念場

スポーツ 産経新聞 2026年04月03日 11:30
本命・阪神の対抗馬、中日が野戦病院化で開幕ダッシュに失敗 5連敗喫し、いきなり正念場

開幕前のセ・リーグ順位予想で、「本命・阪神」の対抗馬との声もあった中日が出だしでつまずいた。2日の巨人戦(バンテリン)でようやく今季初勝利を挙げたが、開幕から泥沼の5連敗。球団創設90周年のメモリアルイヤーは散々なスタートとなった。井上一樹監督(54)は5連敗を喫した1日の試合後、「連敗が続いてしまうと、揶揄(やゆ)されるというか言われるのは当然。そこで矢面に立つのは僕で十分。選手たちは食らいつくという気持ちがある」と声を絞り出した。

今季、中日の下馬評が高かった理由は2つ。まずは本拠地・バンテリンドームナゴヤの改修だ。外野フェンスの手前に「ホームランウイング」を新設。フェンスまでの距離が最大6メートル短縮され、フェンスの高さも4・8メートルから3・6メートルに1・2メートル低くなった。

4位だった昨季、中日のチーム本塁打数はリーグで2番目に少ない83本。チーム得点はリーグ最少の403点だった。投手陣はいいが、得点力不足が課題として指摘され続けてきた。そこで本拠地の改修が追い風になる-というのが評価を上げた理由だ。

もう一つは昨季の阪神戦の成績。13勝12敗とリーグで唯一、優勝した阪神に勝ち越した。阪神は85勝54敗4分けで、2位のDeNAに13ゲーム差をつけて史上最速の9月7日にV決定。そんな強いチームに勝ち越したのだから、今季は阪神を上回れるのではないか…との見立てだ。「風が吹けば桶屋がもうかる」のようなこじつけにも思える理由だが、中日を推す評論家は多かった。

しかし、蓋を開けると苦しいスタート。大誤算だったのは3月27日の開幕・広島戦(マツダ)だ。4点リードで迎えた九回、リリーフ登板したアルベルト・アブレウ投手(30)が1死を取っただけで4失点。瞬く間に同点に追いつかれると、延長十回にサヨナラ負けを喫した。アブレウはマウンドに上がった後にぎっくり腰を発症したようで、井上監督は「投げている途中で、ちょっとおかしいっていう異変があったみたい。それは早めに言ってほしかった」とあんぐり。アブレウは翌日、登録を抹消された。

そもそも開幕前から誤算は相次いでいた。守護神の松山晋也投手(25)が左脇腹の肉離れで2月20日に春季キャンプから離脱。セットアッパー候補の清水達也投手(26)も腰痛でリハビリ中だ。打撃陣も昨季、2割6分1厘、13本塁打、58打点をマークしたジェイソン・ボスラー外野手(32)が3月3日に左ふくらはぎ肉離れ。同じく打率2割7分、17本塁打、52打点の成績を残した上林誠知外野手(30)も同17日のソフトバンクとのオープン戦(みずほペイペイ)で、走塁中に右膝付近を肉離れした。松山とボスラーは4月1日の巨人戦前に行われたライブBPで復調をアピールし、近日中にも1軍に復帰しそうだが、チームがさながら〝野戦病院化〟したことで開幕ダッシュのもくろみは破綻した。

ただ、故障者が出ているのは中日だけではない。阪神は昨季、50試合連続無失点の日本記録を樹立したセットアッパー、石井大智投手(28)が左足アキレス腱(けん)断裂で今季絶望。巨人も開幕投手候補だった山崎伊織投手(27)が右肩のコンディション不良で1軍から離脱している。両チームは他の選手が主力の穴をカバーして戦っており、中日もグラウンドでプレーしている選手が故障者が復帰するまで頑張るしか活路は見いだせない。

昨季まで5シーズン連続でBクラスに低迷する中日は、メモリアルイヤーに強竜復活を果たせるのか。いきなり踏ん張りどころを迎えた。

【プロフィル】植村徹也(うえむら・てつや) サンケイスポーツ運動部記者として阪神を中心に取材。運動部長、編集局長、サンスポ代表補佐兼特別記者、産経新聞特別記者を経て客員特別記者。岡田彰布氏の15年ぶり阪神監督復帰をはじめ、阪神・野村克也監督招聘(しょうへい)、星野仙一監督招聘を連続スクープ。

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