再審制度の見直しなどを盛り込んだ刑事訴訟法改正案の条文審査が3日、自民党の法務部会などの合同会議でスタートした。
再審開始決定に対する検察官の不服申し立て(抗告)に、なぜ国会議員から「禁止すべきだ」との声が相次いでいるのか。実際に起きた冤罪(えんざい)事件に沿ってみていくと問題点がクリアになる。
1966年に静岡県で起きた一家4人殺害事件では、強盗殺人罪などで死刑が確定した袴田巌さん(90)に対し、静岡地裁は2014年に初めて再審開始決定を出した。犯行時の着衣とされた「5点の衣類」が、①付着した血痕のDNA型鑑定②血痕の色の変化の2点で、袴田さん以外による犯行の疑いが残るという判断だった。
検察側は東京高検に即時抗告した。東京高裁は18年にDNA型鑑定の信用性を否定し、再審開始決定を取り消した。今度は袴田さん側が特別抗告し、最高裁は20年に「血痕の色の変化に関する審理が足りない」と高裁に差し戻す。23年の2度目の高裁決定は、血痕の色の変化に関する証拠を「無罪を言い渡すべき新証拠」と認定。検察側は特別抗告せずに再審開始が確定したが、地裁の再審開始決定から9年を費やした。
他に再審請求審が長期化した例としては、86年に起きた「福井中3殺害事件」…