就業者の伸びは1月が12万6000人増から16万人増へ、2月が9万2000人減から13万3000人減へと修正された。
失業率は4.3%となり、2月より0.1ポイント下がった。2025年1月の4.0%から同11月には4.5%まで上昇し、その後はほぼ横ばいで推移している。平均時給は前年同月比3.5%の上昇となり、市場予想を下回った。
統計発表直後の金融市場では金融政策の先行きを映す米2年債利回りが上昇した。米連邦準備理事会(FRB)が景気下支えのために追加利下げを迫られるとの観測が後退した。
3月は就業者数が増加に転じたが、企業はイラン情勢などを背景に先行き不安を強めている。米国とイスラエルの攻撃を受けたイランがホルムズ海峡を事実上封鎖し、原油価格が急騰した。トランプ米大統領は早期終結をにおわせるが、イラン側は譲歩の姿勢を示さず、混乱が収まるかは見通せない。
米国ではガソリン高をうけ家計の負担感が強まっている。さらにコストやサプライチェーン(供給網)への懸念から企業にも将来不安が広がりつつある。
米S&Pグローバルによると、3月の米国購買担当者景気指数(PMI、速報値)はトランプ政権が相互関税を発表した25年4月以来の水準まで下がった。中東情勢の混乱が長引けば、景況感が冷え込み採用の抑制に直結するおそれがある。
米コンファレンス・ボードの消費者信頼感調査では「仕事を見つけにくい」と答える人が3月時点で21.5%に達した。新型コロナウイルス禍にあった21年2月以来の高さを記録した。職探しが難しいとの実感はすでにじわりと広がっている。
FRBのパウエル議長は3月30日、イラン情勢を受けた原油高をうけ企業や家計が「インフレ率の上昇を予想し始める可能性がある」と語った。将来のインフレにつながる物価見通しの高まりを注視する構えだが、雇用失速の懸念も強まれば金融政策は難しいかじ取りを迫られる。