“無償”でも家事こなした日々が誇り ある専業主婦の将来構想

社会 毎日新聞 2026年04月04日 13:00
“無償”でも家事こなした日々が誇り ある専業主婦の将来構想

 学校から帰ってくる子どもたちを出迎え、温かな手料理を並べる。名古屋市の渡辺直子さん(53)=仮名=にとって、将来のあるべき自分の姿は、母と同じ専業主婦以外に考えられなかった。

 子ども2人は成人した。きちんと家事と育児をこなしてきたことを誇りに思う。そして今、専業主婦を続けてきたからこそ描ける夢に気づいた。

 「専業主婦」の今を描く企画の第4弾。今回は、25歳で結婚以来、家事と育児に専念してきた女性(53)が、これまでを振り返ります。家族を支えた日々を「誇りに思う」と言い、将来自分にできることに気づきます。 <関連記事> 「楽しちゃダメ」良妻賢母の呪縛 商社マンの夫が強いた上下関係 「夫に養ってもらいたい」 働く母を尊敬、でも専業主婦を望む訳 周囲の「いいわね」が苦痛に 共感されず、愚痴ものみ込む専業主婦

 ダイニングテーブルに並ぶのは、シェフ顔負けの手料理。きちんと整えられた部屋にはいつも、四季折々の花が飾られている。直子さんの家ではそれがもう当たり前だ。

 クリニックを経営する歯科医の夫と25歳で結婚して以来、家事と2人の子どもの育児は自分の仕事と考えてきた。夫には結婚当初、「口出ししないで」とくぎを刺したほどだ。

 一日は「外で働いている人が朝、仕事に行くのと同じ感覚で」始まる。

 家族が出払った後、掃除機をかけ、トイレなどの水回りを丹念に掃除。終わると買い物に出かけ、特売品を中心にメニューを考える。1日30品目摂取が目標で、季節を感じてもらおうと、旬のものを入れるのも忘れない。

 これも料理上手な母を見て自然に体得したことだ。

 モットーは「温かいものは温かいまま食卓に」。子どもが学校に通っていた頃、夕食が揚げ物の時は、家族それぞれの帰宅時間に揚げたてが食卓に並ぶよう、その都度、一から作った。

 育児も自分の仕事だと捉えていたので、2人の子どもたちともとことん向き合った。持たせる弁当は、子どもが起きてくる前に作り終え、一緒の時間は手を休めて会話を楽しむようにした。子どもは遊ぶのが仕事。お片付けも一緒に楽しくを心がけ、腹立たしさを感じることはなかったという。

 夫が日々、感謝の言葉をかけてくれたことも支えだった。家事と育児をワンオペでやりきった日々は「とても楽しく、充実していました」…

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