己への厳しさ薄れて 高木美帆、競技人生全う―スピードスケート

スポーツ 時事通信 2026年04月06日 18:36

 5歳から始まった高木のスケート人生。ここを引き際と定めるに至った心の動きについて、言葉を選びながらも率直に明かした。悲願だった1500メートルでの金メダル獲得を逃した2月のミラノ・コルティナ五輪。その前から腹は決まっていた。

高木美帆「幸せな競技人生」 記録あまた、悔いなし―スピードスケート

 2年前に30歳になった。近年は自身が思い描く滑りから遠ざかっていった。加齢による体力の衰えがあるのはまだしも、どうしても受け入れられないことがあった。「8年前や4年前とは違い、自分を律して押し上げていくパッション(情熱)が少しずつなくなるのを感じた」。それは、高木の「理想とするアスリート像」とはかけ離れていた。

 長く師事したヨハン・デビットコーチから教わり、大切にしてきた考え方がある。「どんなことをするに当たっても、プロの意識を持つように」。私生活にも気を配り、常に競技と向き合い続けてきた。その姿勢に多くの後輩が薫陶を受けたが、本人は己への厳しさが薄れてきたと感じていた。だから引退を「決断するというより、受け入れた」。

 15歳の若さで五輪に初出場。数え切れないほどの記録を打ち立ててきただけに、最も印象深いレースを挙げるのは難しい。「どのレースも全力で挑みにいく自分でありたいと思っていた。そういうところは、最後まで大事にできたのかなと思っている」。控えめな口調ながら、孤高の道を全うした誇りがにじんだ。

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