天皇ご一家は7日、福島県の大熊町立義務教育学校「学び舎ゆめの森」を訪問された。同校は原発事故に見舞われ、四散した地域コミュニティーの〝絆〟を再生する象徴の一つになっている。天皇陛下は、被災地復興を担う若い力の活躍に期待し、子供たちの暮らしや学びにも心を寄せられてきた。学校でも授業の様子を熱心にご覧になった。
「活気のある街づくりについて調べました」
この日、同校で行われた「町の復興」について中学生が発表しあう授業で、男子生徒が研究成果を発表すると、お三方はうなずきつつ熱心に耳を傾け、拍手を送られた。 大熊町は福島第1原発事故で全町避難を余儀なくされ、小学校2校と中学校1校が約90キロ離れた会津若松市へ移転した。3校は平成23年4月に閉校し「学び舎ゆめの森」として再スタートした。令和5年4月、12年ぶりに大熊町へ帰還した同校は、小中一貫校と認定こども園が一体化し、0~15歳が集う学びの場となっている。
女子生徒が「パティシエになって町を盛り上げたい」と語ると、皇后さまは「どんなお菓子が好きですか」とにこやかに話された。初めて福島を訪問した愛子さまは、震災の実情や復興の課題を熱心に質問し、生徒に菓子を「膨らませるのは難しいですよね」と言葉を交わされた。
陛下は、災害の経験や教訓を次世代へ継承する重要性について、たびたび述べられている。
「学校はコミュニティー再生のきっかけの一つです」。担当者がこう説明すると、陛下は子供たちの姿をにこやかに見つめながら、うなずかれていた。(中村昌史、吉沢智美)