レバノン停戦が米イラン交渉の焦点に浮上 イラン、対外影響力の確保へ民兵組織を重視

国際 産経新聞 2026年04月10日 21:23
レバノン停戦が米イラン交渉の焦点に浮上 イラン、対外影響力の確保へ民兵組織を重視

11日に実施予定の米国とイランの協議に向け、イスラエルとレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラの交戦が焦点の一つに浮上している。レバノンでの交戦は7日の停戦合意に含まれていないとする米イスラエルに対し、イランは停戦の対象だとして反発し、要衝ホルムズ海峡の封鎖を強化した。イランは海峡を「人質」に対米協議を優位に進める狙いとみられ、強気の姿勢を崩していない。

イラン国営プレスTVは9日、最高指導者モジタバ・ハメネイ師がメッセージを発表したとし、その内容を報じた。メッセージは、イランを攻撃した米イスラエルに対して「報復する決意」があると訴えたほか、ホルムズ海峡の管理は「新たな段階」に入るとし、海峡に対する主導権を手放さない姿勢を強調した。

停戦合意におけるレバノンの地位を巡り、米国とイランの立場が食い違っている理由は判然としない。ただ、イランが反イスラエル武装闘争を継続し、対外的な影響力を維持する上でヒズボラは不可欠な存在だ。

ヒズボラはイスラエルがレバノンに侵攻した1982年にイランの精鋭、革命防衛隊の指導で創設された。政党も持ち、レバノン内政を動かす大きな力を持ってきた。イランは対米協議を機に、連携するヒズボラの存続を揺るぎないものにする狙いとみられる。

ヒズボラはイスラエルのネタニヤフ首相が表明したレバノン政府との交渉について、協議に臨むなら停戦を前提条件とするようレバノン政府に要求した。レバノン政府はこれまで、イスラエルが求めるヒズボラの武装解除を実現できておらず、交渉の成否は見通せない。

3月初めに再開されたイスラエルとの戦闘で、レバノンでは約1900人が死亡、6000人超が負傷し、100万人以上が避難民となったとされる。(佐藤貴生)

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