バスケットボールのBリーグは2026年9月に開幕する新シーズンから新たな3カテゴリーに再編され、最上位のBリーグ・プレミア(Bプレミア)には26クラブが参戦する。このタイミングで唯一、本拠地を移転するのが現1部(B1)のサンロッカーズ渋谷だ。16年のリーグ開幕から使用してきた青山学院記念館(東京都渋谷区)に代わり、トヨタアリーナ東京(東京都江東区)をアルバルク東京と共同で使用。本拠地移転に伴い、クラブ名も変更することになった。Bプレミア基準を満たすホームアリーナの確保のために大きな決断を下したクラブは、新たなホームでの飛躍を目指している。
4月8日、SR渋谷は来季に備えてB1のホームゲームをトヨタアリーナで初開催し、川崎ブレイブサンダースと対戦。87-73で勝利し、ホームに白星を届けた。観衆は今季最多の8367人。共同主将のベンドラメ礼生(れお)は「この環境でプレーできることに改めて感謝したい。8千人の観客が僕たちを見ているのは本当に気持ちがいいし、うれしいこと」と満足した表情で話した。
クラブの前身は1935年創部の日立製作所バスケットボール部。2016年開幕のBリーグ参入に向けて「5千人収容、ホームゲームの8割を開催」という条件を満たせるアリーナ確保に動く中、渋谷区の仲介による青山学院大との「産官学連携」で、都心の一等地にある青山学院記念館を使用できることになった。これを機にクラブ名にも「渋谷」を取り入れ、22年に親会社が日立からセガサミーに代わった後も、渋谷を拠点に活動してきた。
ただ、Bプレミア参戦に必要なライセンス取得にはホームアリーナに5千人収容に加え、常設のVIPルームなどの条件も必要となった。大学施設である青山学院記念館では基準を満たせず、クラブは自前のアリーナ建設も検討。しかし、初年度の26年からのBプレミア入りには24年12月までのライセンス取得が必要だったため、時間を要する新設は断念せざるをえなかった。
代替案として、最終的には使用料を払ってトヨタアリーナを共同使用することで、同アリーナの運営も手掛けるA東京と合意。神田康範社長は「ファンにとっても『渋谷に残ってBプレミアにいかない』という選択肢がよかったかというと、そうではない」と強調する。