「負の遺産」打破なるか 民営化の国立競技場

スポーツ 時事通信 2026年04月14日 18:22
「負の遺産」打破なるか 民営化の国立競技場

国立競技場に新設されたスイートルーム=3月16日、東京都新宿区のMUFGスタジアム

 巨額の費用をかけ、2019年11月に建設された新国立競技場。21年東京五輪・パラリンピックのメイン会場は、維持管理費が年間約24億円と見積もられ、負の遺産化が懸念された。収益性の向上を図るため昨春、民営化。三菱UFJフィナンシャル・グループが命名権を獲得し、今年1月から「MUFGスタジアム」の呼称となった。現状打破へ、さらなる施策が講じられている。

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 今年3月、「コクリツ・ネクスト」と銘打った新事業の概要が発表された。総工費約90億円かけて場内をリニューアル。法人用に新設した53室のスイートルームや、刷新した飲食エリアが公開された。運営元となる「ジャパンナショナルスタジアム・エンターテイメント」の竹内晃治社長は「単なる競技の場にとどまらず、文化や経済、地域、社会とつながる未来型スタジアムへ進化させる」と狙いを明かす。

 体験価値の向上も、キーワードになる。その理想型に挙がるのが24年10月に開業したサッカースタジアムやホテル、商業施設などの大型複合施設「長崎スタジアムシティ」。昨秋に発表された開業1周年報告書によると、J1長崎の試合がない休日でも平均で約2万~3万人が利用する。飲食店は毎日オープンし、市民の憩いの場となっている。

 都心にある国立競技場は、集客で有利な面を持つ。興行のない日の施設開放について「段階的に広げ、平日活用を模索していく」(担当者)とまだ慎重だが、官民連携の教育プログラムや、ビアガーデンなど季節イベントを開催する計画がある。

 小池百合子東京都知事は「東京に一層の活気とにぎわいをもたらすことを期待している」と話す。「今後2~3年以内で黒字化を目指す。開かれたスタジアムにしていきたい」と担当者。「負の遺産」から「息づく遺産」となるか注目だ。

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