防衛装備庁幹部、安保研究応募「主要大は依然慎重」 学術会議が軍民両用容認で近年回復も

政治 産経新聞 2025年05月29日 18:07
防衛装備庁幹部、安保研究応募「主要大は依然慎重」 学術会議が軍民両用容認で近年回復も

防衛装備庁の松本恭典技術戦略部長は29日の参院内閣委員会で、軍事と民生双方(デュアルユース)の技術に応用可能な基礎研究を助成する同庁の「安全保障技術研究推進制度」の応募状況を巡り、2017年に日本学術会議が軍事研究を禁じた過去の声明を継承するとした声明の影響があることを示唆した。「必ずしも声明の影響だけではないが、当該制度について依然として応募に慎重な主要大学が存在している」と述べた。自民党の山谷えり子参院議員の質問に答えた。

学術会議は17年3月、軍事研究を禁じた過去の声明を継承した上で、15年度に開始された同制度に「政府による研究への介入が著しく、問題が多い」と批判する声明を公表した。

15年度は大学から58件の応募があったが、18年度に応募件数が激減し、22年度まで9~12件に落ち込んだ。

22年7月、学術会議はデュアルユース技術の研究を事実上容認する見解を発出。大学からの応募数は23年度は23件、24年度は44件と回復傾向にある一方、東大や京都大など主要大学は依然、同制度に直接応募していない。

山谷氏は「今の科学技術は軍事技術と民生技術のどちらにも使えるデュアルユースの考え方が主流だ。インターネット、GPS、電子レンジ、ロケット、3Dプリンター、ドローン、いずれもデュアルユース」と指摘。

その上で、22年の見解について「事実上デュアルユース研究を容認したものと思うが、まだ現場で解釈について混乱なしとはいえない。新しい考え方をすっきりと出してほしい」と訴えた。

学術会議の光石衛会長は「従来のようにデュアルユースとそうでないものとに単純に二分することはもはや困難」と22年の見解を読み上げるにとどめたが、山谷氏は「その考え方を皆さんに徹底していただきたい」と訴えた。(奥原慎平)

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