土俵入りの稽古をする新横綱大の里=29日(代表撮影、写真左)と、土俵入りを行う横綱稀勢の里=2019年1月
番付の頂点に上り詰めるまで師弟で全く異なる景色を見てきた。二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)は新横綱の弟子について「僕は一番遅く上がって、大の里は一番早く上がった」と実感を込めた。
大の里、純白の綱に責任感 師匠が雲竜型伝授―大相撲
師匠は2017年初場所で最高位の座を手繰り寄せた。新入幕から73場所を要し、昭和以降で最も遅い昇進。一方、大の里は最速の9場所で綱とりを果たした。二所ノ関親方は「(大の里は)最近、大関をやったばかりという感じ。僕の場合は大関に5年もいたから。そこは全然、違うものがある」と付け加えた。
大関稀勢の里は11年九州場所後に誕生。当時は横綱白鵬(現宮城野親方)が君臨し、把瑠都や日馬富士らが大関に居並ぶ時代だった。その後は日馬富士、鶴竜(現音羽山親方)が最高位を極め、モンゴル出身の3横綱が稀勢の里の壁になった。
充実ぶりは今の上位陣の比ではなく、平幕にも実力者が多数いた。大の里とは違い、勢いの継続が困難な中で戦い続けた稀勢の里。その経験は、これから幾つもの試練に立ち向かう弟子の指導に生きてくるだろう。
スピードに関しては入門時の状況も異なる。稀勢の里は中卒たたき上げ、日体大で2年続けてアマチュア横綱に輝いた大の里は幕下10枚目格付け出しでデビューした。師匠から弟子へ。さまざまな視点から貴重な経験を伝え、相撲人生を歩む。