島根県の山間部にある3市町で進めている新たなごみ処理施設の整備構想が再検討されることになった。資材価格や人件費の高騰で、整備費が当初計画から大きく増加したためだ。地域では少子化、高齢化に歯止めがかからず、ごみの排出量は減っていく見込み。「人口減少社会」で、地方のインフラ整備のあり方が問われている。
「これからの人口、ごみの排出量、ランニングコストなどを見越して、一旦足を止めて検討する」。島根県雲南市の石飛厚志市長は29日の定例記者会見で、ごみ処理施設のあり方を再検討する方針を示した。
ごみ処理施設の整備構想を進めているのは、雲南市、飯南町、奥出雲町の3市町。現在、雲南市と飯南町は事務組合、奥出雲町は単独でごみを処理しており、3市町には可燃・不燃ごみの処理施設や最終処分場などが計9カ所ある。
老朽化や資源リサイクルなどへの対応のため、構想ではこれらを1カ所にまとめて施設を整備し、3市町で2032年の供用開始を目指していた。既に建設候補地を数カ所にまで絞り込んでいる。
雲南市によると、構想を策定した23年時点で施設整備費は122億円の見込みだったが、資材価格や人件費の高騰で36億円増加。造成費24億円を加えると180億円以上の事業費が見込まれる。周辺道路の整備費や集会所など周辺地域の振興費などを含めると、総事業費はさらに膨れ上がる。
石飛市長は飯南、奥出雲両町長と4月に協議し、再検討を確認したという。3市町は今後、複数箇所に分けた施設整備や民間委託などを念頭に、現在の構想と比較検討していく。
雲南市は再検討のための関連費用を9月市議会に提案する予定。石飛市長は「将来を見越した観点が重要だ」と述べて理解を求めた。【上野宏人】