動画配信サービス「TVer」が好調だ。2024年度の広告売り上げは、前年比2.2倍と大幅に伸長した。主な要因は、代理店との連携強化による販路強化と、広告代理店が専用の管理画面で広告を運用する「セルフサーブ機能」の浸透だ。試験導入する企業が増えたことから、広告主数も前年比87%増の2138社へと増加した。伸び悩むテレビCM市場の救世主になり得るか。
動画配信サービス「TVer」を運営するTVer(東京・港)は、2025年5月に24年度の広告売り上げが前年比2.2倍になったことを発表した。TVer広告事業本部本部長の増村信也氏は「TVer広告が始まって以来、最も伸びが大きかった」と話す。
電通が発表した「2024年 日本の広告費」では、TVerなどテレビ局由来のデジタルメディアの広告費が該当する、テレビメディアデジタルは前年比46.3%増と、市場自体の成長率が大きい。TVerはその上を行く、大幅な成長を記録している。
好調の要因としては、TVerのサービス自体が、25年1月に4120万MUB(月間ユニークブラウザー)を達成するなど、メディアとして存在感を高めてきたことが大きい。加えて、広告事業として、販路を強化してきたことも主要な要因だ。21年度から広告代理店とのパートナープログラムを開始し、24年度はそれを強化してきたという。
TVerのパートナープログラムは、一定の売り上げ規模を出している広告代理店に対して、TVer側が担当者を付け、売り上げ目標を設定し、広告主への提案を一緒に考えるというものだ。「パートナープログラムを組ませていただいた広告代理店の伸びは、TVer広告の増加率を超えるところもあった」と増村氏は明かす。
広告代理店側が、TVerなど動画配信サービスへの広告出稿のニーズ伸長を受け、専門部署を設けて、担当者を拡充するケースが増えてきたことも、大幅な伸長の要因だという。
23年度から提供を開始した、広告代理店が専用の管理画面で広告を運用する「セルフサーブ機能」の利用企業が増加したことも大きい。同商品では、最低出稿金額を設けていないことから、市区町村レベルにエリアを限定して、少ない出稿金額から出稿する広告主が増加したという。実際、広告主数は前年比87%増の2138社へと増加し、裾野が大きく広がった。