労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)の部会は14日、労災保険制度の見直しに関する報告書をまとめた。現在は労災遺族への遺族補償年金は受け取るのが夫か妻かで支給要件が異なる。夫は55歳以上との要件をなくす案を提示した。厚労省は報告書の内容をもとに次の通常国会に労働者災害補償保険法の改正案を提出し、成立をめざす。
労働災害で亡くなった労働者の収入で生計を維持していた配偶者や子は遺族補償年金を受け取れる。妻が受け取る場合は何歳でも可能だが、夫は妻の死亡時に55歳以上か一定の障害があることが要件となっている。報告書は「支給要件の差は解消することが適当」とした。
55歳以上か一定の障害がある妻のみ支給額を上乗せする「特別加算」も廃止する。遺族補償年金は亡くなった人がもらっていた賃金の日額をベースに計算している。加算がない場合は年に153日分を受け取れ、ある場合は175日分となる。法改正後は175日分に統一し、夫や子でも受け取れるようにする。
農林水産業の事業者も強制適用の対象とする。労働実態の把握が難しいとして、農業は個人経営で常時雇用が5人未満の場合は加入を任意としている。厚労省によると、新たに12万の事業者が労災保険に加入するとみられる。
フリーランスや一人親方といった個人事業者が労災保険に特別加入する際の受け皿となる「特別加入団体」についても通知で定めていた要件を法令で定める。具体的には団体の事務の体制や財政基盤などを要件として明示することを想定する。運営状況を監督し、悪化した場合に改善を促すことができるようにする。