福岡県吉富町は、失業や家族の死亡、介護を受けるなど社会保障の制度や相談窓口を案内するウェブサイト「社会保障のトリセツ」を、同名の解説本を執筆した福岡大法学部の山下慎一教授(社会保障法)らと共同で町のホームページ内に開設した。町は「他の市町村の先進事例となるように取り組みたい」とする。
山下氏の著作は、失業や病気、出産、介護などに使える制度をイラストで解説。2022年に出版し、制度変更に合わせてアップデートしている。
町では社会保障の制度に対応できる職員を育成しているものの、制度が複雑なうえ、人材が少なく異動もあるという全国共通の課題があった。それを解決するため利用者目線の山下氏の著作に注目。25年8月から町と山下教授の研究室、システム開発会社「カムラッド」(福岡市)で進めてきた。
運用は12月から。利用者は「病気・けがのこと」や「老齢になった」「家族・子どものこと」など八つの場面から選び、質問に回答することで、受けることができる支援や窓口にたどり着く。今後は利用者の声を受けて改良を進め、他の自治体でも使えるよう汎用(はんよう)性を高める。
山下氏は「住民の利便性が高まるのはもちろん、職員の業務効率化につながれば」、花畑明町長は「先駆的な取り組みを進め、トリセツシステムを全国で使えるようにしていきたい」とそれぞれ話している。【出来祥寿】