北九州市小倉北区の鳥町食道街一帯で2024年1月に起きた大規模火災で、業務上失火罪に問われた火元の飲食店の元経営者、樋口静子被告(71)は15日、福岡地裁小倉支部(三芳純平裁判長)で開かれた初公判で起訴内容を認めた。検察側は禁錮2年を求刑し、即日結審した。判決は2月5日。
検察側は論告で、周辺店舗などの被害が少なくとも計約6億7000万円に上ったと明らかにし「刑事責任は重大」と指摘した。
弁護側は起訴内容を争わないとした上で、被告が高齢であることから執行猶予付きの判決を求めた。
樋口被告は被告人質問で、火災が起きた日は翌日の営業に備え、使用済みの油が入った鍋に凝固剤を入れて加熱しながら、洗い物や仕込みをしていたと説明。周囲の飲食店が閉まる前に年始のあいさつをしようとして店を離れたという。「あいさつのことで頭がいっぱいになり、火を付けたことを忘れた」と話した。最終意見陳述で「多大な被害になったことは大変申し訳なく思う」と謝罪の言葉を述べた。
起訴状によると、被告は24年1月3日午後2時40分ごろ、鳥町食道街で営んでいた店で油が入った鍋を火にかけて失念、放置し燃え上がらせ、同店や周辺の計33棟約2730平方メートルを全焼か一部損壊させたとされる。【井土映美】