○伯乃富士(押し出し)●大の里(大相撲初場所8日目=18日)
ずっとテレビで見てきた憧れの天覧相撲。結びで横綱大の里戦と申し分のない舞台で、伯乃富士が会心の相撲を見せた。「今場所で一番いい相撲が取れた。イメージ通りだった」。花道から土俵に向かう際に貴賓席を見上げた。「自分の相撲を見ていただけただけで光栄。普通ではできない経験なので」と至福をかみしめた。
琴桜と安青錦の両大関、横綱豊昇龍に相次いで土が付き、残るは大の里。両国国技館は不穏な空気が漂っていた。ただ伯乃富士に焦りはなかった。取組を知ったのは前日夜。そこからきっちり練った対策を実行するだけだった。
「立ち合いで負けずに、横綱を引かせること」。低い姿勢から左を差し、頭をぶつけて大の里の体を浮かせた。後は電車道。猛烈な寄りから最後は胸を一突きして土俵外に押し出した。3秒もかからない速攻だった。
伯桜鵬から伊勢ケ浜部屋の伝統である「富士」が入ったしこ名に改め、今場所に臨んでいる。3日目の霧島戦では差し歯2本が抜けるトラブルもあったが闘志は衰えず、「前に出る相撲ができている」と好感触をつかんでいる。
これで4場所連続の金星だ。「うれしいけど切り替えて。明日に集中しないといけない」。三役昇進のためにも、22歳の若武者は白星を積み重ねていく。(五十嵐一)