安倍元首相銃撃 「教団ウオッチャー」が痛感したメディアの責任

社会 毎日新聞 2026年01月24日 11:00
安倍元首相銃撃 「教団ウオッチャー」が痛感したメディアの責任

 「絶望と危機感」。山上徹也被告が法廷で発したその言葉を聞いた時、敗北感を抱かずにはいられなかった。

 被告を追い詰めた責任の一端は、メディアにあるのではないか――。

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が引き起こす社会問題を20年以上にわたり追い続けてきたジャーナリストの鈴木エイトさん(57)は、そう受け止めた。

 鈴木さんが教団に関心を寄せるようになったのは2002年、東京都渋谷区での出来事がきっかけだった。

 正体を隠した教団信者が「手相の勉強」などと理由をつけて通行人に声を掛け、教団であることを隠した施設へ誘い込んでいた。都会の雑踏で平然と行われている勧誘行為を見過ごせなかったという。

 以来、霊感商法や高額献金、宗教2世といった教団が引き起こすトラブルに息長く切り込んできた。政治家と教団の接点も定点観測し、警鐘を鳴らしている。

 安倍晋三元首相銃撃事件が起きる9日前、22年6月29日のことだ。鈴木さんのX(ツイッター)にダイレクトメッセージが届いた。

 「(鈴木さんが主筆を務めている)『やや日刊カルト新聞』の日ごろの活動には頭が下がります。家族に信者がおり、統一教会をウオッチしている者です」。事件から半年後、被告の弁護人からメッセージの差出人が被告だったと知らされ、驚いた。

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