熊本県で起きた殺人事件を巡り、ハンセン病患者とされた男性が隔離先の「特別法廷」で死刑判決を受けて1962年に執行された「菊池事件」の第4次再審請求審で、弁護側は2日、請求を棄却した1月28日の熊本地裁決定を不服として福岡高裁に即時抗告した。
地裁決定は、特別法廷で審理したことが法の下の平等を定めた憲法14条1項に違反するとした一方、判決に重大な事実誤認はなかったと判断。弁護側が訴えた関係者供述の信用性に対する疑問なども退けた。弁護団事務局長の馬場啓弁護士は「隔離政策下の誤った認識のもとで実施された裁判で、通常の公開された法廷で審理されていたならば、証拠関係の評価も著しく変動したはずだ」と述べた。
地裁決定を巡っては、存在しない憲法の条項が決定書に記載されるなどしていたことも判明し、弁護団や支援者らが批判を強めている。【野呂賢治】