【台北=西見由章】中国軍制服組トップの張又俠(ちょう・ゆうきょう)中央軍事委員会副主席らが失脚したことを受け、台湾は一連の中国軍高官の粛清が「台湾侵攻」計画に与える影響を注視している。短期的に全面侵攻のリスクは低下するとの見方が広がる一方、台湾に対する軍事行動の「不確実性」が高まるとして警戒する声も上がる。
習近平国家主席が主導する大規模粛清が、軍の指揮命令系統に打撃を与えたのは確実だ。2022年の第20回共産党大会以降に失脚した上将は少なくとも18人に上り、正常に職務を担当している上将は現在わずか4人との分析もある。
台湾の国防部(国防省に相当)系シンクタンク「国防安全研究院」の蘇紫雲研究員は産経新聞の取材に、中国軍は上将の粛清で「全体的に指揮命令系統が空白になった」と指摘。米当局は習氏が27年までに台湾侵攻の準備を整えるよう軍に指示したと分析しているが、「準備は少なくとも5年遅れる」との見方を示す。