病児に付き添う家族がくつろげる宿泊・滞在型施設 日ハムの山﨑福也投手が訪問

スポーツ 産経新聞 2026年02月03日 08:40
病児に付き添う家族がくつろげる宿泊・滞在型施設 日ハムの山﨑福也投手が訪問

自宅を離れ闘病する子供に付き添う親や家族が、安らげる場を病院近くに-。そんな思いで設けられた宿泊・滞在型施設が全国にある。子供に付き添う家族が1泊1000円前後で、自炊や洗濯もしながら日常生活に近い形で過ごすことができる。

がんの子どもを守る会(東京)が運営する「アフラックペアレンツハウス」は、東京に2カ所、大阪に1カ所ある。小児がんなどの難病と闘う子供に付き添う家族の利用料は1泊1000円。通院治療中や、病院から外出許可を得て滞在する患者本人は、無料で利用できる。

東京都江東区のアフラックペアレンツハウス亀戸には洋室が8室、和室が2室ある。ほかに共用スペースとして、自炊ができる台所や、プレールーム、学習室を備える。ソーシャルワーカーが駐在し、利用者の不安や悩みにも応じている。3日~1週間と短期間の利用者が多いが、1年ほどに及ぶ人もいる。

入院中の子供にとって、できる限り親と過ごせるようにすることは、治療の観点からも有益だとされる。例えばがんの薬物療法では食欲低下や吐き気、倦怠(けんたい)感などつらい副作用が伴い、治療中の負担は大きく、不安が募る。そばに家族がいれば心強く、精神的に治療への意欲を支えられる。

日本小児科学会は令和4年に公表した「医療における子ども憲章」で「病院などで親や大切な人といっしょにいる権利」を明記。6年には家族の入院付き添いに関する課題とその解決への提案を、付き添いの有無に場面分けして示した。

こうした施設では病気と闘う家族を励ますイベントが催されることがある。

昨年12月、アフラックペアレンツハウス亀戸を、小児脳腫瘍の闘病経験があるプロ野球北海道日本ハムファイターズの山﨑福也(さちや)投手(33)が訪れた。小児がんや難病の子供たちと、そのきょうだいらが出迎えた。

山﨑投手は中学3年生のとき、小児脳腫瘍と診断された。野球の名門・日大三高への進学を前に健康状態を確認しようと受けた精密検査がきっかけだった。「自覚症状は全くなく、えっという感じ。小学2年で始めた野球ができなくなったらという不安があり、どうしたらいいのか、治るのか」と戸惑いながらも、「絶対に治して、また野球をやってやる」と闘病に挑んだと明かす。病院をいくつかあたり、最終的に北海道の大学病院で6時間の手術を受けた。心配された合併症(麻痺や意識障害など)もなく、約2週間で退院したという。

長期入院ではなかったものの、「一人だと孤独も感じたし、入院はつらかった」と振り返る。

当時は入院患者の付き添い家族が滞在できるような民間施設があまりなく、「家族はアパートなどを借りて、交代で来てくれていた」という。

「当時、こんな施設があればよかった。(病気を治療している)みんなとワイワイ話して、遊び場はあるので、気分転換ではないが、明るく上向きになれると思う」と山﨑投手。病気と闘う家族を社会で支える仕組みが広がることへの期待を寄せた。

「がん電話相談」(がん研究会、アフラック、産経新聞社の協力)は毎週月~木曜日(祝日・振替休日を除く)午前11時~午後3時に実施しています。11日は休みます。電話は03・5531・0110、03・5531・0133。相談はカウンセラーが無料で受け付けます。相談内容を医師が検討し、産経紙面やデジタル版に匿名で掲載されることがあります。個人情報は厳守します。

関連記事

記事をシェアする