ポスト万博・エネルギー・消費税…エコノミスト3人が読み解く 有権者は何に注目すべきか

政治 産経新聞 2026年02月03日 21:11
ポスト万博・エネルギー・消費税…エコノミスト3人が読み解く 有権者は何に注目すべきか

8日投開票の衆院選では物価高対策や消費税減税が大きな争点となっているほか、関西の有権者には大阪・関西万博後の経済戦略や、原発がかかわるエネルギー問題などへの関心も高い。各党の公約で注目すべきポイントをエコノミスト3人に聞くと、万博のレガシー(遺産)を社会で実用化するため、規制緩和や投資支援の重要性を指摘する意見などが示された。

万博は大阪市此花区の人工島・夢洲(ゆめしま)で昨年4~10月開かれ、経済産業省は経済波及効果を3・6兆円と算出。関西の経済成長につなげるために、万博で展示された空飛ぶクルマや次世代通信技術、脱炭素エネルギーなどの最先端技術を実用化することが課題となる。

りそな総合研究所の荒木秀之主席研究員は技術の実用化に向けて「必要な規制緩和や投資支援をセットにした中長期的な戦略が不可欠だ」と指摘。日中関係の悪化などで国内生産回帰の機運が高まっている現在は好機だとの見方を示した。各党が具体的な成長戦略をどこまで提示できているかが投票の判断基準の一つになりそうだ。

さらに、夢洲で2030年秋ごろ開業予定のカジノを含む統合型リゾート施設(IR)がもたらす経済効果にも期待がかけられている。三井住友トラスト基礎研究所の大谷咲太(しょうた)投資調査部長は「観光分野だけでなく、関西が強みを持つ再生医療や創薬、エネルギーなど成長分野に具体的な政策を打ち出しているか、(各党の公約を)よくみてほしい」と語った。

エネルギー分野では、関西電力が福井県に持つ原発が全国に先駆けて再稼働。電力の安定供給の継続や、高止まりする電気料金の低減は生活に直結する切実な要請だ。

原発について自民党と日本維新の会は積極的な活用を主張。中道改革連合は「将来的に原発に依存しない社会」を目指すとし、国民民主党は「再稼働や核融合発電で安定的な電力確保」を、共産党は「原発ゼロ」をそれぞれ訴える。

原子力のほかに火力発電や再生可能エネルギーの位置づけも問われる。荒木氏は脱炭素と経済性を考慮したエネルギー戦略を再構築すべきだとし、「国益に照らした再検討が必要」と指摘。日本総合研究所関西経済研究センターの藤山光雄所長は「水素エネルギーや蓄電池の活用の進め方に注目したい」と述べた。

また、消費税を巡って自民と維新は「食料品で2年間ゼロ」、中道は「食料品で恒久的にゼロ」、国民民主は「賃金上昇率が物価上昇率プラス2%に安定して達するまでの間、一律5%に減税」、共産は「一律5%に減税後、廃止」を主張する。

藤山氏は「消費税減税は家計にプラスになる」としながらも、「財源が明確でなければ、金利上昇や円安の進行を招き、減税効果が打ち消される懸念もある」と分析。具体的な財政・経済政策が示されているか見極めるべきだと強調した。(井上浩平)

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