男子73キロ級決勝、田中裕大(手前)から有効を奪う田中龍雅=4日、福岡国際センター
世界選手権の個人戦初代表へ望みをつなぐには結果が欲しい一戦。男子73キロ級の田中龍雅がここぞの場面で地力を見せつけた。延長の末に田中裕大を退けて2年ぶりの優勝を手にし、「自分の中で(前回と)価値は少し違う」。言葉の中に実感を込めた。
決勝は先に有効を奪いながらも、技ありと有効を取り返される苦しい展開。「投げないと勝てない状況だった」。相手を激しく動かしながら投げを連発する。残り1分余り、内股で技ありを奪って追い付いた。延長に入っても気迫を前面に。最後は相手に三つ目の指導が入った。
2024年に初優勝したときは19歳。パリ五輪直前で代表選手が不在の中、鮮烈な印象を残した。けがに苦しみながらも歩みを進めてきた21歳は「今回は世界選手権も見えるし、オリンピックも近い状況」。周囲のマークが厳しくなる中で成長の跡を示した。
この日の準決勝で敗退した石原を筆頭に、28年ロサンゼルス五輪へ激しい代表争いが予想される階級。この優勝で一歩前進した。世界選手権へ向け「選んでもらえたら、金メダルを持って帰って来られるような準備をしたい」と力強く話した。