中東情勢の緊迫化を受けた原油の供給不安を巡り、経済産業省は6日、医療機関や公共交通機関などの重要施設について、石油元売り企業が燃料を直接販売するよう政府から要請したことを明らかにした。また、独立系ガソリンスタンドなど石油元売り大手の系列外事業者であっても、区別せずに前年同月と同じ量を販売するよう4日付で要請した。いずれも普段の取引先から調達が難しくなった場合の措置とする。
近く関係省庁で協議した上で、直接販売の対象となる重要施設の定義を示す。
だが、経産省によると、同省設置の窓口には燃料の調達不安に関する相談が1日現在で400件近く寄せられ、医療福祉や交通、公共サービス、農業関係が全体の3割超を占めた。需要家が石油元売りから直接購入するケースは少なく、こうした供給不安の広がりに今回の措置で対応する。
政府はガソリンや軽油のほか、プラスチックの原料となるナフサなどの石油製品は必要量が確保されていると強調する。ただ、供給不安を要因とした売り惜しみなどによる流通経路上の目詰まりが一部で発生。普段通りの調達が難しくなっているケースも出ているとされる。
バス業界でも燃料の価格高騰や供給制約といった影響が顕在化している。元売り各社は契約で系列店や特約店への供給を優先させているが、燃料確保が難しくなった系列外のガソリンスタンドにも区別せずに販売するよう要請し、需給の逼迫(ひっぱく)を改善したい考えだ。(福田涼太郎)