東京都心はマンション価格が空前の高騰を続け、さらに各地で開発が続く。
活況の一方で、建設に伴う盛り土造成に、危機感を覚えた住民がいる。
「熱海のような土砂崩れが起きるのでは」
東京・渋谷の喧噪(けんそう)を抜けた先に、「奥渋」とも呼ばれる閑静な住宅街が広がる。代々木公園にも隣接している。
異変の始まりは2024年10月だった。NHK放送センターなどが遠望できる高低差10メートルの傾斜地にあったマンションで、解体工事が始まった。地上3階、地下1階建てのマンションを新築する計画だった。
傾斜地のふもとには、敷地内の土砂崩れを防ぐ擁壁があった。擁壁を新しくするため、いったん撤去され、斜面の土砂が「丸裸」になった。
さらに擁壁の内側の土砂は横80メートル、奥行き5メートル、高さ4メートルわたって削り取られた。土砂は斜面の上に積み上げられた。
住民は恐れおののいた。「ビル3階建ての高さ、斜度45度の『山』が突然現れたように見えた」。斜面の上では、ショベルカーが重低音を上げながら3台稼働することもあった。
マンション完成時まで…