天皇、皇后両陛下と長女愛子さまは7日、前日に続いて福島県の浜通り地方を巡られた。東日本大震災から15年がたっても帰還困難区域が残る一帯で、将来の夢を語る中学生の授業を見守った。伝統産業を守る被災者らとも話を弾ませた。
両陛下は震災の記憶と教訓が次世代に伝わることを願い、愛子さまを伴って福島県入り。6日から1泊2日で4町を巡った。東京電力福島第1原発がある双葉、大熊両町に皇室が入るのは震災後初めてだった。
ご一家は7日午後、浪江町の「道の駅なみえ」を訪ねた。伝統工芸品の焼き物「大堀相馬焼」の見本を手に取り、その独特の技法を確かめた。日本酒造りを知るコーナーでは「福島産が安全だとアピールしたい」と語る生産者の思いに触れ、天皇陛下は「これからもよいお酒を造ってください」と伝えていた。
地元での学校教育が2023年に再開した大熊町では、小中一貫校と認定こども園が併設された「学び舎ゆめの森」で子供らと交流した。「町にスイーツ店が少ないので、パティシエになって大熊を盛り上げたい」と夢を語る女子生徒らと笑顔で言葉を交わした。
午前中には、原発事故による全町避難の記録や郷土史を紹介する富岡町の「とみおかアーカイブ・ミュージアム」を見学した。
町民の避難誘導中だった警察官が津波にのまれて犠牲になり、ひしゃげたパトカーが展示されている。警察官の両親が今もパトカーを目にできないと聞いた皇后雅子さまは「15年たってもいろんな思いがありますね」と話したという。【山田奈緒】