宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9日、初回のエンジン燃焼試験で確認された主力大型ロケット「H3」6号機の燃料タンク圧の不具合について、対策を施した先月の再試験で解決が確認されたことを明らかにした。文部科学省の有識者会議で報告した。停滞している打ち上げが、再開へ一歩前進した格好だ。JAXAの有田誠プロジェクトマネージャは、会議で「大きなハードルを越えた」と話した。
標準型のH3は、液体燃料の主エンジンと固体燃料の補助エンジンを2基ずつ備える。一方、より小さい搭載物の宇宙輸送を想定する6号機は、液体燃料の主エンジン3基だけの新形態だ。日本は液体燃料エンジンだけのロケットは打ち上げ実績がなく、JAXAは昨年7月、最初のエンジン燃焼試験を実施した。
得られたデータを解析したところ、燃料となる水素、酸素タンクの圧力が不足し、エンジンに燃料を十分に送り出せない恐れがあることが分かった。そのため、タンクを十分に加圧できるよう対策を施し、今年3月に再試験を実施。データの解析を急いでいた。
H3は昨年12月、8号機が打ち上げに失敗し原因を究明中だ。また、昨年度中に打ち上げる計画だった6号機も燃焼試験で足踏みが続き、H3全体の打ち上げ見合わせが続いている。(伊藤壽一郎)