JR山手線の高輪ゲートウェイ駅(東京都港区)に直結し、3月28日に全面開業した複合施設「高輪ゲートウェイシティ」の敷地内に「目の錯覚で転倒する恐れがある」と指摘される「大階段」がある。これまでに少なくとも2人が転倒して負傷したことが確認されている。管理者のJR東日本も危険性を認識し、ベンチ周りにチェーンを張る安全対策を施した。他方、SNS上ではこの設備が著名建築家の隈研吾氏の設計だとする誤った情報が拡散しているが、JR東側、隈氏側双方が否定した。(外崎晃彦、写真も)
この大階段は、「高輪ゲートウェイシティ」を構成する施設の一つ「リンクピラー1」の北棟と南棟の間にある。両サイドに人が2人通れるほどの幅の階段があり、中央部分がベンチのように座れる仕様。JR東は「大階段」と呼ぶ。憩いの場やイベントスペースとしての利用も見込まれる。
記者が実際に現地を確認したところ、大階段が「危険」と指摘される理由は「ベンチの材質や配色、配置が、通行人に目の錯覚をもたらす」ことにあるようだ。中央のベンチは、階段3段分の高さがあるにも関わらず、大階段の上部からは両サイドの階段との境界が見分けづらい。ベンチ部分を階段と誤認して足を踏み出すと、バランスを崩し、転倒しそうになる。こうした記者の実感と危険性に関する見立ては、その後の取材でJR東も認めている。
JR東によると、「大階段」の供用開始は、約1年前の2025年3月27日。これまでに2人の利用者が転倒し負傷したことが確認されているという。同社には見えづらさや危険性を指摘する苦情や要望が寄せられていた。
こうした経緯からJR東側は、高輪ゲートウェイシティの全面開業に先立つ今年3月11日、利用者の視認性を向上させる安全対策として、階段とベンチのエリアを隔てるチェーンとポールを設置したという。