裁判所に指弾された渋谷区の誤算 ブームが緩み生んだとの指摘も

社会 毎日新聞 2026年04月10日 16:32
裁判所に指弾された渋谷区の誤算 ブームが緩み生んだとの指摘も

 東京都渋谷区のマンション建設を巡り、東京地裁は区に、業者に「待った」をかけるよう命じた。区は、盛り土の存在を知りながら、なぜ動かなかったのだろうか。

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 「盛り土規制法に基づいて審査し、業者の許可は不要と判断しました」

 渋谷区都市計画課の幹部は2025年10月、毎日新聞の取材に答えた。現場の安全は確保されていると判断できるため、業者に工事停止を命じる理由はなかったとした。

 同法は、21年7月に静岡県熱海市で大規模に発生した土石流災害を受けて成立し、23年に施行された。規制区域内では、盛り土で高さ1メートル、切り土で高さ2メートルを超える崖をつくる場合などは原則、自治体の許可が必要とするなど厳しい規制をかけている。

 だが、同法の施行規則などには「工事に付随する(一時的な)土石の堆積(たいせき)は、許可が必要な工事から除外する」などの記載がある。

 今回の現場は、擁壁を取り除くための切り土で発生した土砂を「一時的」に切ったり盛ったりしても、マンション完成時までに埋め戻される計画だ。熱海の現場とは異なり、業者が日々、安全に目を配ることも予想されるため、盛り土規制法の許可はいらない――。渋谷区はそう判断した。

 この判断は妥当だったのか。同法を所管する国土交通省は「許可権者である渋谷区が、個々の現場状況を踏まえて判断するもの」とし、妥当かどうかの明言は避ける。

 司法…

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