黄川田仁志アイヌ施策担当相は10日の閣議後の記者会見で、先にアイヌ民族を先住民族と位置付けた政府方針を否定する発言をしていた、日本保守党の百田尚樹代表の発言に反論した。
この日の会見で、記者団から、百田氏が6日の会見で「先住民族明記」を批判した発言についてどう受け止めるかと尋ねられたことに答えた。
黄川田氏は、個々の政党代表の発言についてはコメントを差し控えるとしたうえで、アイヌについて、「日本列島北部周辺、とりわけ北海道の先住民族だとの認識に変わりはない」と語った。
初めてアイヌを「先住民族」と明記したアイヌ施策推進法が2019年に施行されたことを踏まえ、「小中高の学校教育の中で取り上げ、訪問、体験プログラムを取り入れるなどし、民族としての誇りが尊重される社会の実現に向け、歴史や文化についての国民の理解を深める取り組みが重要だ」とも強調した。
百田氏は6日の会見で、アイヌ施策推進法で初めてアイヌを「先住民族」と明記した背景を疑問視し、「日本政府の大きな過ちだ。アイヌは歴史的に非常に難しい」と批判を述べていた。これに先立ちアイヌに衆参両院は08年、アイヌを先住民族として認める国会決議を採択した。この後、ロシアのプーチン大統領が18年に「ロシアの先住民族である」と主張した。
百田氏は、ロシアが24年に「ロシア系住民の保護」などを口実にウクライナに軍事侵攻したことを踏まえ、「北海道にいるアイヌを同胞を救う目的で(ロシア側が)戦争を仕掛ける可能性もある。非常に恐ろしいものだとみている」とも指摘していた。